九州電電同友会(電友会 九州地方本部)

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ボランティア活動紹介・・・「くす」170号(令和6年4月)

2024-04-22 | ◆ ボランティア活動紹介

盲導犬との出合い

福岡(福岡市) 安永 図紀夫(八〇歳)

2009年(平成21年)ドコモエンジニアリング九州を最後に50年余りの永いサラリーマン生活を卒業しました。現役引退して、当初は自由な毎日を過ごしていましたが、時間が経つにつれ残りの人生を元気で楽しく生きることが無いものか色々と考えていましたが、妻・娘家族が「パピーウォーカー」をやってみてはと話があり、パピー・・・とは何ぞやと解らぬまま話に乗ったのが始まりです。ちなみにパピーウォーカーとはパピー(将来盲導犬としての訓練を受ける仔犬:盲導犬候補)を、生後2ヶ月から約1歳になるまでのあいだ預かり、飼育し躾を行うボランティアです。

先ずは盲導犬センター(福岡県糸島市)で定期的に行われる見学会に参加し盲導犬の目的とボランティアの役割等について説明をうけ、社会貢献にもなるならと2012年6月に最初の犬を預かることになりました。

犬種はラブラドールで、非常におとなしく、人なつっこい性格で、成長しても人に恐怖感を感じさせないことで、盲導犬に適した犬種だそうです。先ずは、ひとり立ちは初めての犬ですので、不安が無いように家族みんなが世話することから始めました。夜はケージのそばに寝て、2、3時間位ごとにトイレの世話をする毎日が3ヵ月程続きます。4ヶ月位でトイレは自分で行くようになりますので、随分世話が楽になってきます。

犬に接する場合、最も気を付けなければならない一つとして、失敗しても絶対怒ったりしないこと。上手くできたら褒めてやる(GOODとなでてやる)ことで学習を重ねていきます。これは、成長しても同様です。何か人間にも参考になるところです。生後5ヵ月位から散歩デビューとなります。散歩は、一般的なペットは犬主動での散歩ですが、パピーは介助犬を目指すことから、人間主動になるよう躾ます。リードは左手に持ち、犬は一緒に横について歩くようにリードでコントロールしながら歩きます。当初は他の犬や動物を見た時など、リードを引っ張ったりしますが、そのうちに無視するようになり、平行して歩くことできるようになり、上達していきます。

散歩以外では、盲導犬になったとき、様々な人・環境の中での仕事が想定されます。このため、何処でも普通に適応できる様に普段から色んな場所に連れて行き環境に慣れさせます。人の多い場所が訓練には効果があるので、よく連れて行きました。空港・博多駅・ショッピングモール等、随分いきました。このときは訓練犬であることを示す「専用のベスト」を着用します。自宅は西鉄駅の近くにあり、散歩の途中には踏切、また大きな交差点もあることから、電車の音・救急車のサイレン等、大きな音に慣れさせる面からは適した場所です。それらに対する恐怖もほとんどなく楽しい散歩の毎日です。

1歳になり、いよいよセンターに帰るときは、さすがに寂しくなりましたが、それ以上に家族みんなに癒し与えてくれたことに感謝しています。孫がセンター職員にリードを渡した後、振り返りもせず犬舎に向かう姿を見て、これなら直ぐに新しい生活に慣れるなと思うと共に、元気で頑張ることを祈りました。こうして無事に送り出した後は一旦休養の後、3ヵ月後位に2頭目を預かりました。それから、2017年の5年間で、4頭のパピーを預かりお世話しました。そのうち2頭が盲導犬として広島・福岡でデビューを果たしました。(盲導犬になる割合は約30%位です)その後は、私も後期高齢者の仲間入りに近づいたことから、1年間休みなく世話するのも負担が大きいのを考慮し、負担の少ない短期(1週間~約2ヵ月の期間)、協会の依頼を受けて犬を預かるボランティアを現在までやっています。短期で世話した犬は27頭になり、パピーと合わせて計31頭になりました。預かった犬それぞれ性格の違いはありますが、共通していることは人に従順で、世話するのが嫌になることは全くありませんでした。犬との生活で良かった点は、・家族全員が協力し少しでも社会貢献ができたこと・地域住民の知人が多くでき、町内役員活動等に大いに役立っています。

現在は、歴代犬の写真をリビングの壁に貼り、正面に眺めながら食事をしています。2月には傘寿を迎え、残り少ない人生の領域に入りました。これからも楽しく過ごしたいと思っています。

[参 考]パピーウォーカーをやってみたい方は「九州盲導犬協会」のホームページをご覧下さい。

 

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