すっかり涼しくなった2016年10月、
私はオレオの足に異変を感じた。
右足首あたりが隆起していたのだ。
翌日、私は夫と病院に赴いた。
大いに長くなりそうなので検査経緯は
割愛するが、結果は悪性の皮膚癌。
しかも、症例のない腫瘍だった。
最初は、切除したところからまた出てきた
腫瘍の洗浄、舐めないように包帯を巻く
という処置を病院で毎日続けていた。
治らない病気といつまで戦うんだろう。
私は精神、肉体・時間・経済的にも
疲弊していた。
手術か、様子見の継続か悩んだ。
どの道、悪性で悪さをするので、
高齢だったが手術で転移を避ける方を選んだ。
(さらりと言っているが、究極の二者択一で、
手術は苦渋の選択であり一縷の望みでもあった)
手術自体は成功して、術後も毎日診察に
通った。足を引きずりながらも、オレオは
大好きなご飯はしっかり食べてくれたので
安心してたのだが、術後一ヶ月も経たない内に
よく倒れるようになった。
(これは、寝てるところ)
いよいよ下の世話が必要になってきた。
ご飯は口元に持っていってやると
全部食べた。
しかし、12月24日あたりから全く食べなく
なった。翌日、夫が病院で強制給餌を
しに病院に連れて行ってくれた。
その夜、もう長くないという匂いが部屋に
充満し、私はなかなか寝付けなかった。
生きながら腐っていくような匂いで
目が覚めた。オレオは辛うじて生きていた。
長くないと察した私は虫の息のオレオを
腕に抱いた。ほんとに小さな呼吸だった。
私は撫で続けるしか術はなかった。
オレオは小さな呼吸から一度だけ
大きく吸い上げるように息を吸い、
すーっと空気を抜くかのように息を吐き、
ゆっくり、ゆっくり、本当にゆっくりと
私の腕に抱かれて月に還って行った。
12月26日 午前6時10分 帰還
次回に続く。
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