秋の終わりが哀しいのは君が秋風だから。
窓の外で風が歌っているから冬が近づいていることに気がついた。
びゅおー?ひゅおー?ぴゅおー?
冬の風は独特な音を出すよね。都会のビル風みたいな音。ここは開けた田舎なのに。
コンクリートの地面を落ち葉が舞う。カラカラ、カラカラってまるで笑うみたいに。
最近は昼でも寒い日があって、自動販売機の‘‘あったか〜い’’が嬉しい。買ったばかりのお茶を飲んだら胃のあたりもあたたかくなって、生きているんだなあなんて思ったりもする。週末に炬燵を出そうか。
冬が来るのは嬉しい。星が綺麗に見えるし、吐く息が白くて楽しくなっちゃう。だけど秋が終わってしまうのは今も昔も哀しかった。
だって君が秋風だから。
いつも隣にいてくれて、手を握ってくれる。抱きしめてキスをして、好きだって言ってくれる。それでも私は君といると哀しくて寂しくて、何か埋まらない隙間があるように感じた。秋の風みたいに。
分かってはいるの、この先の冬も春も夏もそばにいてくれることを。だけど、手を離すと秋と一緒に消えてしまうような気がしてしまって、不安で仕方がない夜もある。
消えないで、そばにいて、それから、それから・・・
今日も祈りを込めて君の手を、繋いだ手を、握りしめて眠りにつくの。
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