妄想日記

本当にあったこと、妄想してみたことごちゃ混ぜにして全部詩にしてみた。

空に落っこちる

2020-10-30 07:00:00 | 妄想日記
 空に落っこちたと思った。

 青い空、こんな雲一つない日は「きっと地球が上手に下降気流を発生させたのね」なんて思う。ずっと上を向いていたら不安になった。

 私は今、立っているの?座っているの?ねっころんでいるの?何も分からなくなってきて、空っぽな私は風が吹けば空に落っこちてしまうような気がして。
 
 みんな夢を語るけど、中身のぎっちり詰まった自分を語るけど、私には何もない。やりたいことも、行きたい場所も、なりたい自分も、何も持てないまま。空にはそんな私を見透かされているような気がして怖いんだ。

 「空っぽな奴ほど詩を書きたがる」
ってイヤホンから流れてきてドキリとする。私が言葉を紡ぐのは空っぽだから。埋めたいの、空洞を、空虚を。それで
誰も空っぽの私に気づきませんように
と願う。

私が言葉を積み重ねるのは、誰かに気づいてほしいから。私がここにいることを。別に上手じゃなくていい、汚くていい、誰の心にも届かなくていい。ただ、認めて。私が確かに存在していることを。


 
 びゅうっ と風が吹いた。
 体がゆらゆら揺れて空に落っこちてしまったかと思った。










引用:amazarashi「空洞空洞」
 


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