おとぎ話が好きだった。
シンデレラにはガラスの靴、白雪姫には毒リンゴ。眠り姫には糸車、ヘンゼルとグレーテルにはお菓子の家。当たり前に登場する安心感と、それがないなんて考えられないキーアイテム。
そのキーアイテムは私には君だったんだ。
息をするように一緒にいた。ベッド横のぬいぐるみくらい必ずある存在だった。
何をするにも、どこに行くにも、君が当然のように一緒で、ずっと昔から一緒だったような気さえしていた。
だけど、
君には私の知らない18年があって、私には君の知らない18年があった。これからも私の知らない君の人生があって、君の知らない私の人生があるんだろう。
長い長い人生を一本の線で表すなら、私と君の線が交わったのは4年間だけで、この後の人生で交わることはないんだろう。
ねえ、私 君に出会うまでどんなふうに息をしていたっけ?おとぎ話ならこの後はふたり、幸せに暮らすのにね。
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