映画の終わりの5分間のようだなと思う。幸せで、楽しくて、少し寂しい。僕は君といると切ないんだ。どれだけそばにいて、手を繋いで抱きしめても埋まらない隙間があるように感じる。
埋まらない隙間が恐くて、どうやって埋めようか試行錯誤の毎日。始発駅があって終着駅があるようにいつか僕らも終わってしまうのかと怯える。
君からする金木犀の香りもいつか思い出せなくなるんじゃないかと思ってしまう。
冬になれば秋の過ごしやすさも凛とした風も忘れてしまうように、オリオン座が輝くから秋の満月を思い出せなくなるように、一瞬で通り過ぎていく秋のような君だから
切なくて哀しくて愛おしい。
切ないのは刹那だからなのかもしれない。
埋まらない隙間があるから僕は君を大切にしたいし愛おしいと思うのかもしれない。