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今回紹介する作品はちょっとばかし古い作品で、制作年は第二次世界大戦終結のわずか3~4年。アメリカや西側陣営の視点ではなく、ソ連の視点で制作されている。
基本的に<勧善懲悪>で、悪い者がいて(ヒトラーとナチス党)正義(ソビエト連邦と、そのソビエトの最高指導者のスターリン)が勝つという図式。主役はスターリン((もう1人の主役はヒトラー?))
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今の日本人の感性から見ても、違和感がない箇所がかなりあるが、『スターリン万歳』を叫ぶ民衆や兵士のシーンは、笑うか笑わないか微妙なライン(うう~む)
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改めて再確認した部分は、1945年のドイツの降伏時に、ベルリン一番乗りを果たしたのはソ連であったこと。これが米英が先に入っていた場合は、ドイツのその後は違っていたかもしれませんよね。
監督のミハイル・チアウレリは、スターリンと同じグルジア人で、スターリンを神格化する映画を作ることで有名だったようです。
スターリン批判が高まっていく中で寂しく死亡(1974年没)ベルリン陥落の戦闘シーンで、どこかで聞いたことがあるなぁと思った曲があったのですが、ドミトリー・ショスタコーヴィチの<レニングラード 第7交響曲>でした(涼宮ハルヒの弦奏のCDにも収録されていました)
スターリンは、ヒトラーと並び<独裁者の総代表>のようになっていますが、この2人にほぼ違いは見られず、共産主義もナチズムも本質的には似通ったものとも言えますでしょう。
ソ連の創業者のレーニンは、ソ連建国のすぐあとに、世界中で共産主義国家が誕生するだろうと過信していましたが、そうはなりませんでした(少なくともヨーロッパは1年でそうなると思っていた)
スターリンは「ヒトラーから虐げられた諸国家を救う」という大義名分を得て、東欧(東ヨーロッパ)を手中に収めていきます。当初の米英ソの会談では、ポーランドは民主化され独立国となるはずでしたが、スターリン指導の共産党一党独裁の国となってしまいます(多くの東欧の国家がそうなってしまいました)
スターリンは確かに、あくどく、狡猾で、卑怯な人物で、日ソ中立条約を無視し、樺太と千島列島に侵入し、現在の「北方領土問題」まで尾を引くその発端、原因になった人ですが{勝ち組}と言えば{勝ち組}で、日本流に言えば「勝てば官軍 負ければ賊軍」の典型例のような人でしょう。
この作品はプロパガンダの実例として、観賞してみても学と教養がある作品と言えます。
*スターリンって顔だけ見ると、若い時も壮年期もイケメンですよね?(トロツキーも見た目は良いですよね)作中では1度もトロツキーの登場はありません。
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