厄介な事にその主人公は、ピッキング犯になってまで赤の他人の家の中に侵入。
それを咎められても罪悪感を抱いてないようで、かなりヤバい。
物盗とかでなく、単に純粋に部屋の中を見たいだけ、ただそれだけ。
そして見終えたら満足してまた施錠して何事もなかったかのように家を出る。
変な嗜癖。でもなんだか共感できた。
私も人の家の中、家具の位置やインテリア、生活用具の並びとかに興味があって。
子どもの頃、親戚の家に泊まりに行くと、意味もなく部屋のあちこちを散策した。
不思議なほど落ち着くのです。ほんとに不思議。
姉の部屋へもよく入りました。ドレッサーに並べられた化粧品やヘアブラシ、香水。
おしゃれ雑誌、漫画、ベッドカバー、クッション。
主人のいない部屋は、おとぎ話への誘いのように私を空想の世界へと引き込んだ。
小説を読んで、こんなへんてこな趣味の人って意外に多いのかもと安心しました。
私はピッキングはしませんよ。念のため。