そして、8日、甲府地裁から発表された特定少年一号、交際を断られた恨みから相手の自宅へ侵入し、両親を刺殺した後、妹に暴行し放火した。
身震いするような残虐ストーカー事件だが、本人には全く反省の色がないと言う。
未成年者である特定少年の名前を公表する事に関しては、多くの議論が交わされてい
る。法律だけでは解決できない問題であり、社会全体の歪みや時代の流れが背景にある。
今年公開された映画「前科者」を思い出す。有村架純演じる主人公は、若い女性でありながら、保護司として対象者の支援を続けていた。保護司は基本ボランティアであるため、コンビニでアルバイトをして生活費を稼いでいる。まさに貧困女子。
対象者は悲惨な家庭環境からろくな教育も受けられず、いじめや虐待などで自己肯定感を育む事なく大人になった例が多い。
前科者のレッテルは、たとえ隠していてもどこかで剥がされあらわにされる。
その時に受ける冷たい風に、社会復帰という航海を始めた舟の帆は無惨に折られてしまう。
後は自分で荒波を泳ぎ岸にたどり着くしかない。もし、運良く浮き輪が投げられ手を貸してくれる人が現れたら幸運だ。
「前科者」の主人公は、自身が中学生の頃、不審者からナイフで刺されそうになる。その時、身代わりとなって死んでしまったのが交際相手の父だった。彼の父と交際相手に対する懺悔のために選んだ道が保護司だった。
やっぱりそうか。若い女の子で保護司なんてよほどの事がなきゃ選ばない道だよな。
BSプレミアムのドラマでも、高校教師を定年退職した男が保護司となり、対象者に寄り添ったドラマやっていたな。
舘ひろし、かっこよすぎでした。
綺麗事だけではすまされない前科者の社会復帰。特定少年そのあとで、どんな人生が待っているのだろう。