その人の名は草刈健太郎。40代半ばの建設会社社長。昔妹をパートナーに刺殺された犯罪被害者家族だが、何故そんな辛い思いをしながら支援者となったのか。
草刈氏もしばらくの間は犯人を憎み、やりきれない日々を送っていたと言う。しかし、人を憎む事に疲れ、妹のためには世の中から犯罪を減らす事が一番の供養だと考えを変えた。
自ら少年院や刑務所を訪れ、自分の会社で働きたいと望む釈放間近の受刑者を面接。やる気さえあればほぼ100%の確率で採用し、仕事と住処を与え面倒をみている。
これだけ聞いてもすごい人。犯罪者の社会復帰のためには国からも助成金が出るからもしや貧困ビジネスかと疑ってしまった。
でもインタビューの顔から見える草刈氏はとてもまっすぐな人。年の離れた妹は自分を慕い映画好きな兄の影響を受け、映画の勉強をするため渡米し、アメリカ人と結婚した。相手はとても嫉妬深いDV男で、浮気をしたと妻を疑いメッタ刺しにした。
裁判の場では精神疾患を主張していたが、それは逃げ口上だと後にわかる。
遺族にとってたまらない現実だったろう。
仏の境地で支援するも、裏切られることがほとんどで、特に薬物依存症への対応は困難を極めてる。回復ってほんとに難しい。
草刈氏のような気持ちで再犯防止を願っていればもっと世の中良くなるのではと思う。でも真の理解を得るのは大変で、きっと毎日心折れていることだろう。
小さな実践で世の中を少しずつ上げていく。
大切な事だと思います。