震災で家を失った住人達の仮設住宅を舞台に、どんな環境の中でもその人らしく前を向いて生きる姿を描いている。
主要人物は30代の三人の若者、池松壮亮と仲野太賀、渡辺大地がこのドラマの舵取り役。
仮設住宅にはさまざまな人間模様がある。
家を失い仮設住宅にすら入居できない?ホームレス親子は廃車となった軽自動車の中で寝起きして、まだ小学生くらいの息子が町の飲食店まで物乞いに行き、その日の食料を調達。父役は又吉直樹、息子役は映画「こちらあみ子」で圧巻的な演技力を見せた大沢一菜、この子は女の子でありながらの少年役だったけど、違和感なし。
この親父は理想のマイホームを建てる夢ばかり語り何もしないクズだけど、息子は父をリスペクトしていて、二人のやりとりがとても心に残る。結果的に食中毒で息子は死んでしまい、父はまた河川敷で一人寂しく暮らす。息子への追悼?か詩のような文句を詠みながら。たまらなく胸を締め付けられた。
仲野太賀が演じる青年タツヤは若くしながら母親と幼いきょうだいを養う優しい息子。母はどんなに彼が頑張っても半グレの長男ばかりを溺愛する。そんな未熟な母にいつも傷つけられながらも家族を捨てられない悲しみをほんとに上手く表現している。兄の事で喧嘩した後母は弟妹を連れて仮設住宅を出て行く。一体どこへ?
酒屋の青年オカベ役の渡辺大地が猛アプローチしている薄幸な娘かつ子役が「ドライブマイカー」で存在感を示した女優の三浦透子。産みの母に捨てられ伯母夫婦に面倒を見てもらうがクズの伯父から性虐待を受けてどうやら妊娠?というヘビーな展開でますます目が離せない。