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合言葉はヒュッゲ

映画 ルート29

シュール中シュールなこの上ないほどシュールな映画でした。

綾瀬はるかさんと子役の大沢一菜ちゃんが出演。「こちらあみこ」の監督森井勇佑さん作品だと聞いてなるほどなあと感心。
淡々とした抑揚のないセリフ。ん?と疑問に思いつつ、脈絡のなさ故引き込まれてしまう流れ。たぶん、この世の中で少しはじかれている人たちの声なき声を拾える監督さんなんだね。

物語は至ってシンプル。人付き合いが苦手で、漂うように一人生きてきたのり子が派遣されている鳥取市内の精神科病院で清掃中、患者から頼まれ、姫路にいる一人娘を連れてきてほしいと写真を渡される。その無茶振りとも言えるミッションを達成するため、清掃会社の軽ワゴンを盗み姫路へと走る。何故だかはると言う少女は森の中でテント生活をしていて、突然自分を迎えに来たのり子に疑いもせず着いていく。道中、食事休憩をとっていたドライブインで大型犬二匹連れた中年女性から、もう一匹行方不明の犬がいるから探してくれと頼まれる。お人好しののり子とはるが夜の山の中を捜索している間に、その女は車を盗み去って行く。その後二人は歩いて国道29号を鳥取に向かい、途中事故で【たぶん死んでる】車に挟まれていた老人や世の中に疲れ放浪生活をする父子と出会い、のり子の姉の家に泊まりながら旅をする。

そして、ようやく病院に辿り着き、はると入院患者である母は再会する。二人の間に感傷はなく、淡々と短い言葉を交わし抱き合うこともない。

のり子ははるを誘拐した容疑に抵抗もせず逮捕されるが、はるとのりこの絆はこの旅によって深まり強くなっていた。

ざっとこんなお話しですが、生きていながら死んでいるような人、この世に未練を残さず旅立つことへの挑戦と言うか、ふわりとじんわり問いかける作品でした。

綾瀬はるかさんと大沢一菜ちゃんというダブル主演に惹かれ観に行っちゃいましたが、これ万人には受けないだろうなあ。くすりと笑える場面が結構あって私的にはアリでした。
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