私は数ある赤いシリーズの中で、この作品に一番惹かれてしまう。
災害による親子の別れ、その後やっと取り戻せたかと思えば、実は別の子どもだった。しかし、気づいた時にはすでに遅く、今更どうしようもないとただ運命を呪う。
検事役の宇津井健さんの本当の娘は百恵ちゃん。しかし、同じく施設で育った殺人犯の娘役の秋野陽子さんが間違われて引き取られる。百恵ちゃんは出所した三国連太郎さんが迎えに来て安アパートで暮らす。
【ドラマ中の役名が二つあり、しかも入れ替わっているためややこしいので、芸名で示しています】
天国と地獄ほどの環境の差。百恵ちゃんがひたむきに悪党の父【本当は他人】に尽くす姿がいじらしい。
この父親、出所したばかりなのにまた犯罪を犯して勾留される。どんだけ悪い奴なんだと呆れるけど、百恵ちゃんの優しさにほだされ真人間になろうと心を入れ替える。
百恵ちゃんの母役で岸田今日子さんが美しい着物姿で登場。しかし、彼女は被災した時記憶を失い、救助してくれた建設会社社長の妻として生きていた。
第7話では岸田今日子さんが記憶を完全に取り戻したものの、実の母と名乗れず苦しむ姿と宇津井健さんに本当の娘は百恵ちゃんだと告げるのだけど、親友だった秋野陽子さんが南條豊さんへの思募から百恵ちゃんを妬みだんだん意地悪くなってゆく姿や、
南條豊さんと百恵ちゃんが気持ちを通わせるシーンも描かれていて、なんだか胸が切なくなった。
しかし、このシリーズってナレーションが結構ウザいながらも聞き入っちゃう。
何もこんなにご丁寧に説明してくれなくてもわかりますけどと言いたくなる。 笑
これが昭和のドラマあるあるなんだよね。
あと、百恵ちゃんの出生の証である三つのホクロがアップとなった腕にちょい驚き‼️
わりに毛深いんだなあ。当時のテレビの荒い画像ならあまり目立たなかったかも。
ほぼ半世紀前の古いドラマがこれほどきれいに再生されるなんて、技術の進歩はすごい。こんな貴重な映像をしっかり保存してくれてありがとうって言いたいな。