建築士の裏側

建築士の違法行為等についての注意喚起を記し、特に違法な代願が減っていくことを願います。

木造住宅の違法な代願 断った

2024-04-04 15:49:54 | 日記

2023年後半~2024年の4月の時点で当事務所の仕事は激減

知り合いの業者(工務店、基礎施工、地盤改良、地盤調査)、瑕疵担保保険の検査員、県に聞いても物件がとても少ないとの事。

全てにおいてのインフレ、建築材料の高騰が原因と思われる。

世間では会社の給料アップの話がわんさか。

当事務所としては今後の存続にも喉から手が出るほど仕事が欲しい

そこに昔から時々確認申請を頼みに来る大工ベースの建築屋さんから代願の見積もりの依頼があった。

30坪の木造平屋住宅の案件。

柱は4m材で和風。ざっと3000万円かかりそうだが、1800万が施主の予算なので、構造を切り詰めてなんとか受注したいとのこと。

瑕疵担保保険はやらない。※建設業のない業者なので任意。

基礎は仕様規定に準じない仕様。→その場合は構造計算が必要と回答

柱頭柱脚金物もやりたくない。→それは計算で出すからNG

確認申請とれれば良いから、工事監理と完了検査はなし。→後で問題になる可能性があるからNG

どこか探せば未だに確認申請に必要な図面だけ作成して終わりか、工事監理者として記名して現場確認せずに完了検査を申請する設計事務所もあるかもしれないけど

今仕事が無く収入に困っているけど、違法はできない

一度やったら今後も同じような事を頼んでくるでしょう。

貧しくなっても違法には染まりたくない

 

 


工事監理のリスク~鉄骨工事~

2024-04-04 10:28:07 | 日記

鉄骨工事の工事監理リスクは基礎工事から始まります。

ベースパック等の認定柱脚はもとより、一般のアンカーボルトも鋼製フレームで固定して生コンを打設しているか。

基礎の鉄筋に縛り付けたり合板テンプレートを使用したりする手抜きがあります。

そうすると鉄骨工事の時にアンカーボルトがズレベースプレート孔を規定より広げたり、ダブルナットのボルト頭の出が足らなかったりと問題が起きます。

また、饅頭を設置せずに建て方を行うとベースプレート下に金属プレートを挟んで胡麻化したりと問題が出てきます。

私は経験がありませんが、検査員から聞いた話では以下の事例があったそうです。

・柱と大梁の剛接合の仕口は完全溶け込み溶接とすべきであるが、隅肉溶接になっていた。

・ボルト接合部のボルト本数が図面と異なっていた。

グレード工場であれば一定の品質は確保できると思いますが、グレードの無い鉄骨工場が鉄骨工事を行う場合は要注意

素人に毛が生えた程度の鉄骨業者もいるようで、設計者、工事監理者の責任も問われるので注意が必要。

法令上NGではないようなので、平屋の小さな建物程度で止むを得ずにグレードなし業者とするなら、第三者の超音波探傷試験は30%ではなく100%とすれば工事監理者としては安心でしょうか。


工事監理のリスク~鉄骨造の基礎~

2024-04-04 08:45:59 | 日記

鉄骨造の工事監理について記します。

確認申請が下りてから着工して『工事監理』と進みますが、確認申請書に『工事監理者』と記した以上は

建築主との監理契約の場合はもちろん、代願でも『工事監理責任』が生じます。最低限以上はやらないとなりません。

代願で名義だけだからと完了検査の時だけ立ち合いは違法になります。

基礎の配筋は立ち会わないとならない『工事監理』項目の一つですが、現場で見てわかりますか?

基礎伏図と基礎詳細図のみで検査していませんか?

構造特記仕様書とRC標準図も併せて必要になります。

ゼネコンや専業の鉄筋施工業者は特記仕様書と標準図の内容を落とすことはないと思いますが、

木造が主体の工務店、土木が主体の業者、鉄骨工場、不動産業者等が請け負う場合、分離発注を行う場合は要注意。

基礎伏図と基礎詳細図だけ見て、構造特記仕様書とRC標準図を見ない場合が多いです。落としがちなのは以下

基礎梁主筋の継手可能な位置、ダメな位置がある。

・端部の基礎柱に接合した基礎梁の主筋は柱の奥まで行って90°折り曲げ、規定以上の柱内定着寸法が必要。

アンカーボルトの設置方法が問題(フレーム固定していない)→鉄骨柱のベースプレート孔を大きく開けて辻褄合わせ。

これ以外にもビックリするような基礎に出くわしたこともあります。

基礎の図面はもとより仕様書や標準図含め知識が乏しい場合は、構造設計事務所に工事監理を依頼するか補助してもらいましょう。

後に問題が発覚した場合、『工事監理者の責任』となっていまうので、工事監理する者は基準を勉強して現場で確認しましょう。

私は構造設計事務所経験はありませんが、勉強したり構造設計事務所に質疑して知識を得てきました。

そして、着工前(代願の場合は受託前~確認申請提出の前)に施工者に仕様書と標準図の内容を伝えるようにしています。

 


工事監理のリスク~木造~

2024-03-29 16:38:46 | 日記

木造住宅・その他木造の確認申請書に『工事監理者』と記載したにも関わらず、完了検査の時だけ現場に行く、なんてことしてませんか?

確認申請頼まれただけで、便宜上、工事監理者として名義だしただけだから。。。

安い報酬で工事監理なんてできません!

いやいや、確認申請書に『工事監理者』として記名した以上、責任がかかります

又は、基礎配筋や軸組検査に立ち会ってます!という方

基準をちゃんと知っていますか?

工事監理は全数検査は必要ありませんが抜出検査で考え方が間違っていないか確認する必要はあります。

なので現場に立ち会っても施工者任せで立ち会っただけで、基準を知らないと問題ありです。

・基礎の配筋の他、アンカーボルトの設置位置にも基準があり、土台継手の雄側、筋交い(合板耐力壁)の取りつく柱、etc...

柱頭柱脚金物は柱ごとに指定があり、柱脚のみならず柱頭にも必要

延焼の恐れのある部分の外壁の屋内側の石膏ボード等天井裏や小屋裏にも必要でユニットバスも同様

・etc

今まで完了検査に合格してるし、問題になったことないから。。。という人いますよね?

完了検査は工事監理者が適切に工事監理を行った前提で写真等を提出させて、『写真がある=工事監理をしている』として確認するだけで内容は見ていない場合がほとんど。

稀に中身を確認する検査員もいる。

 

完了検査はザルで、検査員の責任はほとんどなし。検査済みになったものでも、後に問題になった場合は施工者と工事監理者の責任は免れられません。

 

 


鉄骨造 平屋 ≦200㎡ の『設計』リスク

2024-03-15 10:41:23 | 日記

鉄骨造 平屋建て 200㎡未満

これを見てこう思った方いませんか?構造計算が不要だ! と

しかし、詳しくは 確認申請に構造計算書と構造図の添付が不要 となります。

代願の場合は、確認申請に必要な配置図、平面図、立面図程度を作成して、構造は依頼者である施工者任せという事が横行しております。

代願を頼む工事施工者は確認済みを取らないリスクを負ったり、銀行の融資が下りなかったりで確認済みが必要になり代願を依頼してきます。

建築主の予算や他者との価格競争、そして利益を上げる為に設計費と構造施工費をいかに安く抑えるかが焦点になります。

法令によると、鉄骨造平屋建て≦200㎡ = 構造計算不用 とはならないのです。

確認申請には構造計算書・構造図の添付が不要でが、仕様規定を全て満たした場合以外は、構造計算が必要で保存義務があります。

仕様規定を満たす場合は、柱の細長比・べースプレーとの厚さ・アンカーボルトの径及び本数を算定する必要があり、

確認申請書に『設計者』と記載された者が構造図(基礎、鉄骨躯体)を作成し保存する義務があります。

仕様規定とはどんなもんか? 法令集の 施行令 38条(基礎)→H12建告1347号、63条~70条(第5節 鉄骨造)になります。

構造計算不用なのは基礎と鉄骨構造の規定を全て満たした場合で、一つでも満たせない場合は 構造計算 が必要になります。

 

仕様規定はいろいろありますが、ざっくり概略はどんなものか?

XY方向ともに壁ブレース設置。 → 一方でもブレースが無い場合は 構造計算が必要!

・小屋梁組に水平ブレース設置。 → 設置しない場合は 構造計算が必要

木造で良く使われる布又はベタ基礎。 → 独立基礎や鉄骨造形式の布又はベタ基礎とした場合は 構造計算必要!

柱の細長比、ベースプレートの厚さ、アンカーボルトの径・本数 を算定。 →部材断面や本数を小さく、少なくしたい場合は構造計算。

要は、100角程度の柱に各方向安全なようにブレースを設け、木造形式のベタ又は布基礎の立ち上がりに柱を載せたもの

※解釈を悪用して、柱スパンを飛ばして200角コラムを木造程度の基礎に設置してブレースは各方向に付けました!は常識外で問題だと思います。設計者の常識判断が問われると思います。

 

令和2年から構造図や構造計算書も保存義務となり、作成していなければ違法が明確化されたので、要注意!

作成してあっても基準未達にならないよう、仕様規定を勉強したり構造設計事務所に委託したりしましょう。

 

建築主や調査会社の調査、増築やリフォームの時に設計事務所や施工者から構造計算書・構造図を求められたら問題になります。

知らないか、そうそう問題にならないとタカをくくっている者が多いようですが、法令通りやらないと、この先ずっと問題を抱えていくことになります。

 

仕様規定対象でも自分で算定きない場合、仕様規定に載らない場合は、構造設計事務所に委託が基本です。

4号建築物は建築士会と事務所協会の賠償保険対象外になっているので何かあったても保険が下りない...となったら最悪。

 

当方は鉄骨造平屋建て200㎡未満の代願や設計を依頼された場合は、仕様規定を全て検討し構造図を作成、又は構造計算を構造設計事務所に委託します。

代願だと倉庫等の簡単なものは恐らく10~20万円で請ける場合が多いと思いますが、当方は上記を行い、きちんとした見積もりを出します。

 

勘違いしているか、知っていても収入の為に安くやる場合とがあると思いますが、建築士としてプライドをもって違法に染まらないようにと願います。