鉄骨造 平屋建て 200㎡未満
これを見てこう思った方いませんか?構造計算が不要だ! と
しかし、詳しくは 確認申請に構造計算書と構造図の添付が不要 となります。
代願の場合は、確認申請に必要な配置図、平面図、立面図程度を作成して、構造は依頼者である施工者任せという事が横行しております。
代願を頼む工事施工者は確認済みを取らないリスクを負ったり、銀行の融資が下りなかったりで確認済みが必要になり代願を依頼してきます。
建築主の予算や他者との価格競争、そして利益を上げる為に設計費と構造施工費をいかに安く抑えるかが焦点になります。
法令によると、鉄骨造平屋建て≦200㎡ = 構造計算不用 とはならないのです。
確認申請には構造計算書・構造図の添付が不要でが、仕様規定を全て満たした場合以外は、構造計算が必要で保存義務があります。
仕様規定を満たす場合は、柱の細長比・べースプレーとの厚さ・アンカーボルトの径及び本数を算定する必要があり、
確認申請書に『設計者』と記載された者が構造図(基礎、鉄骨躯体)を作成し保存する義務があります。
仕様規定とはどんなもんか? 法令集の 施行令 38条(基礎)→H12建告1347号、63条~70条(第5節 鉄骨造)になります。
構造計算不用なのは基礎と鉄骨構造の規定を全て満たした場合で、一つでも満たせない場合は 構造計算 が必要になります。
仕様規定はいろいろありますが、ざっくり概略はどんなものか?
・XY方向ともに壁ブレース設置。 → 一方でもブレースが無い場合は 構造計算が必要!
・小屋梁組に水平ブレース設置。 → 設置しない場合は 構造計算が必要
・木造で良く使われる布又はベタ基礎。 → 独立基礎や鉄骨造形式の布又はベタ基礎とした場合は 構造計算必要!
・柱の細長比、ベースプレートの厚さ、アンカーボルトの径・本数 を算定。 →部材断面や本数を小さく、少なくしたい場合は構造計算。
要は、100角程度の柱に各方向安全なようにブレースを設け、木造形式のベタ又は布基礎の立ち上がりに柱を載せたもの。
※解釈を悪用して、柱スパンを飛ばして200角コラムを木造程度の基礎に設置してブレースは各方向に付けました!は常識外で問題だと思います。設計者の常識判断が問われると思います。
令和2年から構造図や構造計算書も保存義務となり、作成していなければ違法が明確化されたので、要注意!
作成してあっても基準未達にならないよう、仕様規定を勉強したり構造設計事務所に委託したりしましょう。
建築主や調査会社の調査、増築やリフォームの時に設計事務所や施工者から構造計算書・構造図を求められたら問題になります。
知らないか、そうそう問題にならないとタカをくくっている者が多いようですが、法令通りやらないと、この先ずっと問題を抱えていくことになります。
仕様規定対象でも自分で算定きない場合、仕様規定に載らない場合は、構造設計事務所に委託が基本です。
4号建築物は建築士会と事務所協会の賠償保険対象外になっているので何かあったても保険が下りない...となったら最悪。
当方は鉄骨造平屋建て200㎡未満の代願や設計を依頼された場合は、仕様規定を全て検討し構造図を作成、又は構造計算を構造設計事務所に委託します。
代願だと倉庫等の簡単なものは恐らく10~20万円で請ける場合が多いと思いますが、当方は上記を行い、きちんとした見積もりを出します。
勘違いしているか、知っていても収入の為に安くやる場合とがあると思いますが、建築士としてプライドをもって違法に染まらないようにと願います。