建築士の裏側

建築士の違法行為等についての注意喚起を記し、特に違法な代願が減っていくことを願います。

工事監理のリスク~木造~

2024-03-29 16:38:46 | 日記

木造住宅・その他木造の確認申請書に『工事監理者』と記載したにも関わらず、完了検査の時だけ現場に行く、なんてことしてませんか?

確認申請頼まれただけで、便宜上、工事監理者として名義だしただけだから。。。

安い報酬で工事監理なんてできません!

いやいや、確認申請書に『工事監理者』として記名した以上、責任がかかります

又は、基礎配筋や軸組検査に立ち会ってます!という方

基準をちゃんと知っていますか?

工事監理は全数検査は必要ありませんが抜出検査で考え方が間違っていないか確認する必要はあります。

なので現場に立ち会っても施工者任せで立ち会っただけで、基準を知らないと問題ありです。

・基礎の配筋の他、アンカーボルトの設置位置にも基準があり、土台継手の雄側、筋交い(合板耐力壁)の取りつく柱、etc...

柱頭柱脚金物は柱ごとに指定があり、柱脚のみならず柱頭にも必要

延焼の恐れのある部分の外壁の屋内側の石膏ボード等天井裏や小屋裏にも必要でユニットバスも同様

・etc

今まで完了検査に合格してるし、問題になったことないから。。。という人いますよね?

完了検査は工事監理者が適切に工事監理を行った前提で写真等を提出させて、『写真がある=工事監理をしている』として確認するだけで内容は見ていない場合がほとんど。

稀に中身を確認する検査員もいる。

 

完了検査はザルで、検査員の責任はほとんどなし。検査済みになったものでも、後に問題になった場合は施工者と工事監理者の責任は免れられません。

 

 


鉄骨造 平屋 ≦200㎡ の『設計』リスク

2024-03-15 10:41:23 | 日記

鉄骨造 平屋建て 200㎡未満

これを見てこう思った方いませんか?構造計算が不要だ! と

しかし、詳しくは 確認申請に構造計算書と構造図の添付が不要 となります。

代願の場合は、確認申請に必要な配置図、平面図、立面図程度を作成して、構造は依頼者である施工者任せという事が横行しております。

代願を頼む工事施工者は確認済みを取らないリスクを負ったり、銀行の融資が下りなかったりで確認済みが必要になり代願を依頼してきます。

建築主の予算や他者との価格競争、そして利益を上げる為に設計費と構造施工費をいかに安く抑えるかが焦点になります。

法令によると、鉄骨造平屋建て≦200㎡ = 構造計算不用 とはならないのです。

確認申請には構造計算書・構造図の添付が不要でが、仕様規定を全て満たした場合以外は、構造計算が必要で保存義務があります。

仕様規定を満たす場合は、柱の細長比・べースプレーとの厚さ・アンカーボルトの径及び本数を算定する必要があり、

確認申請書に『設計者』と記載された者が構造図(基礎、鉄骨躯体)を作成し保存する義務があります。

仕様規定とはどんなもんか? 法令集の 施行令 38条(基礎)→H12建告1347号、63条~70条(第5節 鉄骨造)になります。

構造計算不用なのは基礎と鉄骨構造の規定を全て満たした場合で、一つでも満たせない場合は 構造計算 が必要になります。

 

仕様規定はいろいろありますが、ざっくり概略はどんなものか?

XY方向ともに壁ブレース設置。 → 一方でもブレースが無い場合は 構造計算が必要!

・小屋梁組に水平ブレース設置。 → 設置しない場合は 構造計算が必要

木造で良く使われる布又はベタ基礎。 → 独立基礎や鉄骨造形式の布又はベタ基礎とした場合は 構造計算必要!

柱の細長比、ベースプレートの厚さ、アンカーボルトの径・本数 を算定。 →部材断面や本数を小さく、少なくしたい場合は構造計算。

要は、100角程度の柱に各方向安全なようにブレースを設け、木造形式のベタ又は布基礎の立ち上がりに柱を載せたもの

※解釈を悪用して、柱スパンを飛ばして200角コラムを木造程度の基礎に設置してブレースは各方向に付けました!は常識外で問題だと思います。設計者の常識判断が問われると思います。

 

令和2年から構造図や構造計算書も保存義務となり、作成していなければ違法が明確化されたので、要注意!

作成してあっても基準未達にならないよう、仕様規定を勉強したり構造設計事務所に委託したりしましょう。

 

建築主や調査会社の調査、増築やリフォームの時に設計事務所や施工者から構造計算書・構造図を求められたら問題になります。

知らないか、そうそう問題にならないとタカをくくっている者が多いようですが、法令通りやらないと、この先ずっと問題を抱えていくことになります。

 

仕様規定対象でも自分で算定きない場合、仕様規定に載らない場合は、構造設計事務所に委託が基本です。

4号建築物は建築士会と事務所協会の賠償保険対象外になっているので何かあったても保険が下りない...となったら最悪。

 

当方は鉄骨造平屋建て200㎡未満の代願や設計を依頼された場合は、仕様規定を全て検討し構造図を作成、又は構造計算を構造設計事務所に委託します。

代願だと倉庫等の簡単なものは恐らく10~20万円で請ける場合が多いと思いますが、当方は上記を行い、きちんとした見積もりを出します。

 

勘違いしているか、知っていても収入の為に安くやる場合とがあると思いますが、建築士としてプライドをもって違法に染まらないようにと願います。

 

 


代願『工事監理』での勘所~木造 外壁の防火~

2024-03-15 10:29:11 | 日記

建築物を建てる場所は、法22条・23条地域 が多いですよね。

その場合に、延焼の恐れのある部分:敷地境界から1階は3m以内、2階以上は5m以内の部分を準防火構造以上とする必要があり、配置図や平面図に延焼の恐れのある部分の範囲を記し、

立面図に外壁材の防火仕様(例 窯業系サイディング PC030BE-9201)を記入します。

PC030BE-9201(鋼板サイディングの場合は別の番号)は防火構造の認定番号で、外壁と屋内側防火被覆でセットの認定となり、外壁のみの認定ではない

一般的には、外壁をサイディングとして、屋内側の壁に石膏ボードの9.5mm以上クロス貼りが多いと思います。強度的に12.5mmが標準でしょう。

※断熱材+屋内側に合板という仕様もあります。

認定では、屋内側を9.5mm以上の石膏ボードと書かれているので上記で問題ありませんが、落とし穴があります。

外壁の防火構造なので外壁の屋内側の天井裏も石膏ボードを張らなければならないのです。天井でストップしてしまっている場合が散見されます。

また、ユニットバスや収納部等の外壁の裏側にも石膏ボードを張らなければなりません。

※延焼の恐れのある部分の範囲外は必要ありません。

屋根の妻壁や片流れの壁の部分も必要になるので注意が必要です。

※梁の部分等まで施工するかは神奈川県は緩和しており、認定機関のホームページに参考として載っていますが、他県は特定行政庁の判断になります。

同業者が建築主から指摘されて問題になり相談された事がありました。念のため特定行政庁やメーカーに確認し、その通りだと。

怠ると建築主や調査会社からの指摘、増築やリフォーム業者からの指摘等で問題になる恐れを秘めています。

『工事監理者』は施工者と共に責任が生じるので、施工者への説明と現場確認を行いましょう。

※中小の施工業者は知らない場合が散見されます。今まで言われた事が無い!って食って掛かってくる場合もありますが、

 建築士としてプライドを持って対応しましょう。

 


代願『工事監理』での勘所~木造 軸組~

2024-03-15 09:31:20 | 日記

代願で確認申請書に『工事監理者』と記名しても実際には工事監理は行わずに完了検査の時だけ立ち合いって場合がほとんどですよね!?

住宅の場合は瑕疵担保保険の検査があるのである程度のチェックはすると思いますが、検査員がザルの場合も多いと感じます。

問題の無い箇所の所だけ写真撮影して、後は『工事監理者』に任せます~ って感じで。

瑕疵担保保険のおかげで大分マシにはなりましたが、特に中小の業者で問題が散見されます。大工任せで現場監督がきちんと現場管理しない場合に多いです。

『工事監理者』と確認申請書に記名した以上は現場で確認しないと裁判になった場合は厳しいと思います。運悪く建築主や後の購入者に賠償を求められることもあるかもしれませんよ~

筋交いや合板耐力壁の位置は図面通りか?勝手に移動されていると軸組計算や柱頭柱脚金物に影響します。

・筋交い金物は問題ないか?2倍指定だけど1.5倍が使われていたり、ビスが適当だった事がありました。

・合板耐力壁や剛床の釘は問題ないか?手抜きで釘のピッチに問題あるかも。

・柱頭柱脚金物の種類が図面通りか?柱脚だけでなく柱頭にも設置されているか?金物の種類が適当で更に柱頭に設置されていない場合がありました。柱頭柱脚金物図と照合しましょう。

・継手や仕口に適切に金物補強されているか?

 

『工事監理者』は全数検査する必要はなく、最低限、抜出検査で良いと思いますが、現場確認をしない場合、しても全くザルだった場合は、確認申請書に記名されている以上責任が生じます。


代願『工事監理』での勘所~木造 基礎~

2024-03-14 15:39:17 | 日記

代願で確認申請書に『工事監理者』と記名しても実際には工事監理は行わずに完了検査の時だけ立ち合いって場合が多いですよね!?

住宅の場合は瑕疵担保保険の検査があるのである程度のチェックはすると思いますが、検査員がザルの場合も多いと感じます。

問題の無い箇所の所だけ写真を撮って、後は『工事監理者』に任せます~ って感じで。

瑕疵担保保険のおかげでビックリするような基礎の配筋は少なくなりましたが、『工事監理者』と確認申請書に記名した以上は現場で確認

しないと裁判になった場合は厳しいと思います。

確認申請書に『工事監理者』と記名した以上、建築主や後の購入者に賠償を求められる可能性を秘めています。

今まで以下の問題を発見したことがあります。

・ベタ基礎のスラブ筋の端部定着が無く、ブツ切り。

・立ち上がり縦筋の下端定着無し。

・アンカーボルトを適当に配置。究極は田植え。

プラ製スペーサーを底面に使用

『工事監理者』は全数検査する必要はなく、最低限、抜出検査で良いと思いますが、現場確認をしない場合、しても全くザルだった場合は、確認申請書に記名されている以上責任が生じます。

瑕疵担保保険の検査で大きな問題は回避されていると思いますが、現場確認を全くしないのは問題です。