建築士の裏側

建築士の違法行為等についての注意喚起を記し、特に違法な代願が減っていくことを願います。

代願『工事監理』での勘所~木造 外壁の防火~

2024-03-15 10:29:11 | 日記

建築物を建てる場所は、法22条・23条地域 が多いですよね。

その場合に、延焼の恐れのある部分:敷地境界から1階は3m以内、2階以上は5m以内の部分を準防火構造以上とする必要があり、配置図や平面図に延焼の恐れのある部分の範囲を記し、

立面図に外壁材の防火仕様(例 窯業系サイディング PC030BE-9201)を記入します。

PC030BE-9201(鋼板サイディングの場合は別の番号)は防火構造の認定番号で、外壁と屋内側防火被覆でセットの認定となり、外壁のみの認定ではない

一般的には、外壁をサイディングとして、屋内側の壁に石膏ボードの9.5mm以上クロス貼りが多いと思います。強度的に12.5mmが標準でしょう。

※断熱材+屋内側に合板という仕様もあります。

認定では、屋内側を9.5mm以上の石膏ボードと書かれているので上記で問題ありませんが、落とし穴があります。

外壁の防火構造なので外壁の屋内側の天井裏も石膏ボードを張らなければならないのです。天井でストップしてしまっている場合が散見されます。

また、ユニットバスや収納部等の外壁の裏側にも石膏ボードを張らなければなりません。

※延焼の恐れのある部分の範囲外は必要ありません。

屋根の妻壁や片流れの壁の部分も必要になるので注意が必要です。

※梁の部分等まで施工するかは神奈川県は緩和しており、認定機関のホームページに参考として載っていますが、他県は特定行政庁の判断になります。

同業者が建築主から指摘されて問題になり相談された事がありました。念のため特定行政庁やメーカーに確認し、その通りだと。

怠ると建築主や調査会社からの指摘、増築やリフォーム業者からの指摘等で問題になる恐れを秘めています。

『工事監理者』は施工者と共に責任が生じるので、施工者への説明と現場確認を行いましょう。

※中小の施工業者は知らない場合が散見されます。今まで言われた事が無い!って食って掛かってくる場合もありますが、

 建築士としてプライドを持って対応しましょう。

 


代願『工事監理』での勘所~木造 軸組~

2024-03-15 09:31:20 | 日記

代願で確認申請書に『工事監理者』と記名しても実際には工事監理は行わずに完了検査の時だけ立ち合いって場合がほとんどですよね!?

住宅の場合は瑕疵担保保険の検査があるのである程度のチェックはすると思いますが、検査員がザルの場合も多いと感じます。

問題の無い箇所の所だけ写真撮影して、後は『工事監理者』に任せます~ って感じで。

瑕疵担保保険のおかげで大分マシにはなりましたが、特に中小の業者で問題が散見されます。大工任せで現場監督がきちんと現場管理しない場合に多いです。

『工事監理者』と確認申請書に記名した以上は現場で確認しないと裁判になった場合は厳しいと思います。運悪く建築主や後の購入者に賠償を求められることもあるかもしれませんよ~

筋交いや合板耐力壁の位置は図面通りか?勝手に移動されていると軸組計算や柱頭柱脚金物に影響します。

・筋交い金物は問題ないか?2倍指定だけど1.5倍が使われていたり、ビスが適当だった事がありました。

・合板耐力壁や剛床の釘は問題ないか?手抜きで釘のピッチに問題あるかも。

・柱頭柱脚金物の種類が図面通りか?柱脚だけでなく柱頭にも設置されているか?金物の種類が適当で更に柱頭に設置されていない場合がありました。柱頭柱脚金物図と照合しましょう。

・継手や仕口に適切に金物補強されているか?

 

『工事監理者』は全数検査する必要はなく、最低限、抜出検査で良いと思いますが、現場確認をしない場合、しても全くザルだった場合は、確認申請書に記名されている以上責任が生じます。


代願『工事監理』での勘所~木造 基礎~

2024-03-14 15:39:17 | 日記

代願で確認申請書に『工事監理者』と記名しても実際には工事監理は行わずに完了検査の時だけ立ち合いって場合が多いですよね!?

住宅の場合は瑕疵担保保険の検査があるのである程度のチェックはすると思いますが、検査員がザルの場合も多いと感じます。

問題の無い箇所の所だけ写真を撮って、後は『工事監理者』に任せます~ って感じで。

瑕疵担保保険のおかげでビックリするような基礎の配筋は少なくなりましたが、『工事監理者』と確認申請書に記名した以上は現場で確認

しないと裁判になった場合は厳しいと思います。

確認申請書に『工事監理者』と記名した以上、建築主や後の購入者に賠償を求められる可能性を秘めています。

今まで以下の問題を発見したことがあります。

・ベタ基礎のスラブ筋の端部定着が無く、ブツ切り。

・立ち上がり縦筋の下端定着無し。

・アンカーボルトを適当に配置。究極は田植え。

プラ製スペーサーを底面に使用

『工事監理者』は全数検査する必要はなく、最低限、抜出検査で良いと思いますが、現場確認をしない場合、しても全くザルだった場合は、確認申請書に記名されている以上責任が生じます。

瑕疵担保保険の検査で大きな問題は回避されていると思いますが、現場確認を全くしないのは問題です。


代願『設計』での勘所~木造 伏図、軸組図~

2024-03-14 15:13:01 | 日記

施工者から代願を引き受けた場合、木構造の図面(伏図、軸組図等)プレカット会社か大工が作成して設計者は全く見ない場合が多いですよね!?

作成は任せたとしても最低限、仕様規定に係るところは設計者が確認しないと違法になり、問題があった場合は代願設計者の責任になります。

確認申請書には『設計者』として記名してありますから、自ら作成するかチェックし、建築士として記名して保存する義務があります。

プレカット図や大工作成の図面で、仕様規定上、当方は代願であっても以下を確認します。

柱の小径・細長比。特に2階建ての1階で10尺より長い柱を使った場合はNGになる可能性が高くなる。

火打ちの配置(剛床の場合は省略可)は適切か。

・土台、大引き、柱、筋交いの樹種防腐防蟻処理

筋交いの位置。間違っていると柱頭柱脚金物の修正が必要になる。基礎が完成してから気づくと、HD金物が予定外の箇所に必要になり対処不能になることも。

横架材(土台、梁)の継手位置。筋交いや合板耐力壁のある柱間にないか?

 


代願『設計』での勘所~木造 基礎伏図・詳細図~

2024-03-13 16:37:23 | 日記

施工会社等から代願にて確認申請を委託された場合でも構造図の作成が必須となりますが、基礎についての勘所を記します。

木造住宅の場合は、瑕疵担保保険用に書くと思いますが、基準未達も散見されるので、作成している方も御一読を!

木造の布基礎及びベタ基礎の基準で落とし勝ちな所は以下があります。※重ね継手の定着長さ等の常識的なことは省きます。

★きちんと図面に書きましょう。書かないと問題があった時に施工者から責任を負わされる恐れがあります。

アンカーボルトの設置位置

・筋交いや合板耐力壁が設置された柱間へのアンカーボルト設置は避ける。耐力壁が連続して継手が逃げられない場合は仕方ないか!?

・土台継手の男木側にアンカーボルトを設置

人通口の設置位置、補強

・筋交いや合板耐力壁が設置された柱間には設けない。

・主要な立ち上がりに設けた人通口の補強は、梁が連続して形成されるように上下の主筋を設ける。←基準だとこうなのだけど、皆やってない?

※主要な立ち上がり:ベタ基礎スラブの配筋ピッチを決定する区画、筋交いや合板耐力壁が設置された箇所。