建築士の裏側

建築士の違法行為等についての注意喚起を記し、特に違法な代願が減っていくことを願います。

代願『設計』での勘所~木造 基礎伏図・詳細図~

2024-03-13 16:37:23 | 日記

施工会社等から代願にて確認申請を委託された場合でも構造図の作成が必須となりますが、基礎についての勘所を記します。

木造住宅の場合は、瑕疵担保保険用に書くと思いますが、基準未達も散見されるので、作成している方も御一読を!

木造の布基礎及びベタ基礎の基準で落とし勝ちな所は以下があります。※重ね継手の定着長さ等の常識的なことは省きます。

★きちんと図面に書きましょう。書かないと問題があった時に施工者から責任を負わされる恐れがあります。

アンカーボルトの設置位置

・筋交いや合板耐力壁が設置された柱間へのアンカーボルト設置は避ける。耐力壁が連続して継手が逃げられない場合は仕方ないか!?

・土台継手の男木側にアンカーボルトを設置

人通口の設置位置、補強

・筋交いや合板耐力壁が設置された柱間には設けない。

・主要な立ち上がりに設けた人通口の補強は、梁が連続して形成されるように上下の主筋を設ける。←基準だとこうなのだけど、皆やってない?

※主要な立ち上がり:ベタ基礎スラブの配筋ピッチを決定する区画、筋交いや合板耐力壁が設置された箇所。

 

 


違法な代願によるリスク~施工者編~

2024-03-13 15:56:35 | 日記

設計・施工を行って請け負う施工者確認申請を建築士事務所に委託する場合、違法な代願でのリスクを考えます。

※違法な代願とは確認申請に必要な図書のみ作成し、審査対象外の構造図等を建築士が作成していない場合

・確認申請書に『設計者』と記載された者が作成した図面(構造図)に従った施工を行っていない図面不備での施工責任

構造基準の未達

等が考えらえます。

確認申請に構造図添付が不要でも、構造については

委託した建築士事務所の建築士の記名のある構造図面に従った施工を行わないと違法となります。

 


違法な代願によるリスク~建築士編~

2024-03-13 15:29:54 | 日記

構造審査の無い規模の建築物の確認申請『代願』を行い、構造図書を作成しなかった場合や

作成しても不勉強で基準に合わない図面を作成した場合の建築士のリスクを考えます。

・行政処分、建築主からの損害賠償

発覚するケース

売買、増築やリフォームの時に建築主や他業者に図面を求められて発覚

調査会社による調査

・特定行政庁による事務所の査察で発覚

等が考えられます。

注意しなければならないのは、建築士事務所の損害保険に加入していても『構造計算』を行っていない場合は保険の対象にならないということ。

全部の保険を調査していませんが、建築士会と建築士事務所協会の保険でそのようになっています。

構造計算:ルート1~3、限界耐力計算等 ※軸組計算等ではありません。

以上から代願とはいえ、建築士は最低限必要な図書の作成は絶対条件で、構造についても勉強しましょう。

・木造の軸組計算や柱頭柱脚金物はもとより、アンカーボルトの設置位置や基礎の詳細等

・鉄骨造の仕様規定

鉄骨造の仕様規定に全て適合しない場合は、構造設計事務所に委託し、構造計算書と構造図を作成依頼

→鉄骨造の仕様規定と構造計算については、リンク参照(現在作成中)

※確認申請書の設計者に構造設計者を明記すると構造の責任は構造設計者になるが、意匠や代願の設計者名にした場合は当該建築士。


昔ながらの『代願』は明確に『違法』となった その2

2024-03-13 15:02:25 | 日記

令和2年の法改正従来横行していた『代願』はどのように『違法』明確化されたのか?

確認申請書に『設計者』と記した建築士事務所に全ての建築物において『構造図書』の15年間の保存義務が追加されました。

以前は木造住宅、倉庫、車庫等の他小規模な場合は、確認申請に必要な図書だけで構造図書は含まれていなかったのです。

確認申請に構造図面、構造計算書等の提出不用、保存義務もなし

これだと、施工費を安くするのに構造は施工者の任意や適当な設計というのが横行になって仕方ないですよね

相変わらず小規模建築物は確認申請に構造は含まれないけど、図書の保存義務が法律で決まりました

法改正で追加の保存義務となった図書は以下の通り。

基礎伏図、各階床伏図、小屋伏図、構造詳細図、構造計算書等、工事監理報告書

これにより、確認申請に必要な図書以外は無いとは言えなくなり、作成しないと違法が明確化されたのですが、

未だに確認申請に必要な図書しか作成しない代願専門の建築士がいるようです。。。

また、『工事監理報告書』保存義務となったにも関わらず、名義だけで工事監理を行わずに完了検査の時だけ現場に顔を出す場合も未だに多いようです。

許認可とっただけ!

安い報酬なので、現場に行ったり書類チェックしたりやってられない!というのが代願を請ける方の言い分でしょうが。。。

令和2年から違法が明確化されたので注意。

 

 


昔ながらの『代願』は明確に『違法』となった その1

2024-03-13 14:09:49 | 日記

建物(住宅、倉庫、事務所、店舗、車庫、....etc)を建てるのには原則として建築士が『設計』を行い、確認申請し確認済証が発行されてから着工が可能となります。

実態としては設計事務所が設計を行ってから工事施工者を選定するより、工事施工者の設計・施工となるケースのほうがダントツに多いと思います。

中規模以上のハウスメーカーや建設会社であれば自社に建築士を雇用し確認申請まで行うことが多く、

小中規模の工務店・ハウスメーカー・不動産業者の場合は設計事務所に確認申請を外注することが多いです。

そこで『代願』プラン図の作成は施工者が行い、確認申請用の書類と図面作成を設計事務所に依頼する行為が発生します。

建築主と設計契約をした場合を除き、確認申請書の『設計者』に、設計・施工を依頼した施工業者と異なる名義が記載されていたら『代願』でほぼ間違いないでしょう。

『代願』を委託された設計事務所は、施工者から提出された平面プラン等をもとに確認申請用の図面を作成します。

木造住宅や小規模な建築物の場合は、求積図、配置図、平面図、立面図程度です。※住宅は瑕疵担保保険で基礎図程度は作成

あれっ!?それだけ!?構造に関する図面は無いの???

そうなんです。小規模な場合は構造の図面等を提出する必要がなく、建築士が適法に設計を行ったという前提審査省略されています。

住宅は瑕疵担保保険の加入義務により基礎図や金物図、プレカット図の提出が必要になったけど、審査はなく勉強不足の建築士による問題のある構造図面が多いと感じます。

この、建築士が適法に設計を行ったという前提での審査省略により、施工者任せの基準未達な建築物が大量発生することになってしまった...

更に『工事監理者』となっていても名前だけで、完了検査の時だけ立ち合いという事も横行。

それは令和2年までは、グレー的な感じで放置されていました。