10人の自己理解の事例です。実施者の年齢と自己理解の目的を( )内に記載しています。1,2の子どもの実践目的は親が子どもの心の中を知るのが目的、他は自分自身の理解です。個人情報保護から事実が損なわれない範囲でエンパワーメントカウンセラーが加筆を行っています。
1、6歳の女児(子どもの心を知る)
上記のカードの説明
のんびりさんは一人でお風呂に入るのが好きなのでこの絵があるカードを選びました。そして幼稚園で友達もいなく一人でいるときさみしいのでこのカードを選びました。姉とけんかしていじめられるといじけてしまいます。なかなかものごとを決められないときがあるのでいじけ屋さんを選びました。
2、9歳の女児(子どもの心を知る)
上記のカードの説明
私は几帳面です。机の上や学校の準備もきちっとしていたいです。しかし神経質なナーバスなところや、面倒くさがりや屋なところがあります。また気分屋なところもあり、妹たちにはしきりたがり屋です。親にしかられると言い訳さんがでてきます。ゲームをして負けるとくやしい負けず嫌いなところがあります。そしてわがままなところもあります。並べ方は私のなかでの大きい順(ウエイトの高い)にしました。
自己成長の課題
大人になるためにはがまんが必要だと思います。子供と大人の違いはがまんができるかどうかだと思います。私はなかなかがまんができません。
3、20歳代男性(就労に向けての自己理解)
上記のカードの説明
周りに他人がいないとすぐアバウトになり、面倒くささが出てきて、やろうとしたことを先延ばしにしてしまう。気心の知れている人との間では堂々とできるし、おおらかな対応ができる。ただ、それも出来るときと出来ないときが気分によって左右される。一方、どういう人か分からない人といる時には、周りの様子を探るためにキョロキョロしたり、恥ずかしさがでてきて、発言ができず人に合わせてしまったり、自分が傷つかないようにと内気な面がでてくる。方向性が分からなくなってくるとどうでもいいやと決めないで放っておくのんびりさんがいる。
行動特性を知る(SPのマークや数字の傾向から行動特性)
ハートが4枚、ダイヤが4枚で、人間志向だと思う。「SPトランプの絵柄ごとのイメージ」から自分の行動特性を見ると、特にダイヤの傾向が強いような気がする。相手に対して配慮しすぎて、人に合わせすぎたり、自分の意見を出すことをためらったりすることが多い。また、自分で物事がなかなか決められない。ただ、同じ課題を抱えているメンバーの間では、積極的に働きかけたりして仲間作りをしようと意識をしてきた。課題としては、気分に流されやすいのでそのコントロールをすること、依存心を無くし、自分で実行していくことを心掛ける必要があると思っている。
4、27歳男性 大学院既卒(就職の面接活動に向けて)
上記のカードの説明
社会的な強み(数字の8以上)であるカードを多く選択。試験に落ちているにも関わらず、本人の自己評価が高い。自分にはプライドと誇りを持っている。しかし面接場面のSPは下記の通りである。(エンパワーメントカウンセラーコメント)
面接場面では「普段出てないものが、出てくる。面接官が本来の10枚の性格の自分をみてくれるといいのに」という本音が垣間見える。しかし、面接という十数分のセッションでは、どうしてもこの4つの性格が前面に出て、元来の自分の性格は隠されるのではないのか?とフィードバックする。また、面接場面のSPは「自分ではない!」と否定したが、本当に、面接場面だけで出てくるものですか?本当にないでしょうか?という問いを伝えると、「根は恥ずかしがり屋かな、普段も内気で、優柔不断なところもある」と少しずつ認めることができた。
行動特性を知る(SPトランプのマークの傾向から見た行動面の特徴)
SPトランプのマークの傾向からA氏の行動特性を見ると、ダイヤ・クラブが多く行動は受動的傾向にある。非自己主張的で、行動は消極的な傾向がやや強い。基本的欲求は受容・所属欲求が強く、人の役に立つことや人から感謝されることに喜びを持てる。14枚中、数字の高いカードは9枚で、自己肯定感は高いといえた。本当に自信がないこともなく、その面を出したいが、面接場面ではダイヤ・クラブの数字の低いものが前面に出ていた。
5、28歳女性(キャリアアップのため)
上記のカードの説明
上段・中段は自分の中で良いと思っている面。特に対人関係の時によく出ている。みんなで何かをするのがとても楽しい。中でも「しきりたがり屋」は絶対にある。下段の「面倒くさがり屋」は自分でも短所だと思っている。「堂々さん」「まじめさん」は特に仕事で発揮する長所。しかし時に邪魔をする。「チャレンジャー」は自分で持っていると思うがチャレンジする対象を知らず知らずに選んでいるように思う。対象、というのはチャレンジする前にクリアできると思うとチャレンジするが、ちょっと難しそう、と思うと一歩さがってしまう。尻込みする。そうなると「面倒くさが屋」が出てきて、することをやめてしまう。
行動特性を知る(SPのマークや数字の傾向から行動特性)
ハートとスペードマークが多く行動は能動的傾向にある。ハートの数が多いが仕事面ではスペード面が出ているように思う。「反省」が好き。何かをしたときにそこから次どうするのか考えるのが好きで評価をするのも好き。その面からも課題志向で達成することが好きなのだと思う。反論したいときは感情的にならず割と冷静に自分の意見を納得するまで必ず伝える。仕事もスピードを重視するのでかなりスペード的である。その他はハート傾向。特に「チャレンジヤー」は新しいことに取り組むのが好きで、興味が俄然わく。やりたいことも沢山あり、興味のあることにはすぐに取り組む。しかし、壁にあたるとすぐ諦めてしまう。またある程度満足すると「もういいか」とやめてしまったり、他に関心が移ったりして一つの事を極めることがなかなかできない。この辺りが自分の課題でもある。
6、30歳代女性(職場においてリーダーシップを発揮するため)
上記のカードの説明
思ったことが人前で言えないという「内気さん」が中心に存在している。職場では、「ほがらかさん」に対応し、多少の仕事の滞りではイライラせず「のんびりさん」と構え、時には「がまんさん」しながら目的を達成していくことができる。それは、仕事に対する自分なりの思い「一徹さん」が根底にあるからだと考える。しかし、仕事に行き詰まりや違和感をおぼえると、自分の行動や発言に自信がなくなり迷う自分や、いじけたり面倒になったりすることが増えてしまう。しかも「プライドさん」が邪魔をしてその状態を認めることができず、他者に対し「切れ屋さん」が出てしまい、仲間と上手くコミュニケーションがとれなくなる。
行動特性を知る(SPトランプのマークの傾向から見た行動面の特徴)
指向や価値観はみんなと上手くやっていきたい、人から受け入れられたい、認めてもらいたい、という気持ちが強く、人に関心がおかれる赤色特徴の人間志向である。行動や発言、コミュニケーションにおいては、受身で自己主張するより相手の話を聞くことが多いダイヤ・クラブ傾向で、特に職場においてその傾向は強い。仕事の失敗やプライドが傷ついたときに不安が高くなるクラブの傾向をもつが、その不安が生じたときの反応は、イライラして相手に対して感情的になる、攻撃的になる、やがてそのこと自体が面倒になる、というハートやスペード傾向である。数字からみると、余裕がある場面では各絵柄の高い数字で対応ができているが、余裕がなくなると一変して各絵柄の低い数字が前面に出る。
7、35歳男性(営業成績アップのため)
上記の説明
根本的には、まじめで慎重なタイプ。誠実にお客様に接していきたい自分がいる。しかし、決して受身な面ばかりでもなく、勉強会や異業種交流会などに参加して、新たな知識を獲得していきたいという「チャレンジャー」な面も持っている。しかし、何がなんでも「営業を取りに行く」という気持ちや、計算高さはそんなに強くない。へんにおおらかなところもあり、慌てたり、必死さに欠ける。
行動特性を知る(SPトランプのマークの傾向から見た行動面の特徴)
SPトランプのマークの傾向からS氏の行動特性を見ると、ダイヤ・クラブが多く行動は受動的傾向にある。非自己主張的で、行動は消極的な傾向がやや強い。基本的欲求は受容・所属欲求が強く、人の役に立つことや人から感謝されることに喜びを持てる。数字の高いカードは5枚、また数字の低いカードであっても肯定的に捉えているものも多く、自己肯定感は高いといえる。ダイヤの傾向は強いが、自分一人で動かなければならない営業職のため、能動性も育成されている。
8、40歳代女性(独身、ワークライフバランス見直しのため)
上記の説明
現在、大部分は、自分の仕事と自分の生活が中心になっている。仕事は、自分なりにチャレンジングに、時代の要求に応じられるよう、新しいことにも挑戦して常に進化することを心がけている。仕事関係があるなしに関わらず、出会いや付き合いは大事だと考えている。基本的に楽天的で、どうにかなると思って今までやってきた。最近は心配や不安感を感じることもあるが、いつの間にか、「ま、いいか」「考えても大勢は変わらず」、と思って心配を忘れたりもする。年々お人好しな自分を自覚してきている。例えば、頼まれると相手の期待以上を目指して、自分のことを後回しにしてでも、がんばってみたりする。ボランティアや、自分にできることはないかと社会貢献を考えることも多くなってきている。
行動傾向を知る(SPのマークや数字の傾向から行動特性)
仕事では、「理論家」「チャレンジャー」「ガンバリ屋」が効果的に働いている。基本的にハート傾向が主で、仕事のときにはスペードやクラブが出てきている。プライベイトでも、同じような傾向で、仕事と生活に見分けがつかないような状態であった。最近はバリバリ働くというよりも、体力を気づかったり、休養を取る時間を作ることを意識しているので、スペードを頑張る方向だけでなく、優先順位をつけて、やらなくていい仕事をやらない、という意思決定に使うようにしている。
9,50歳代男性(資格試験の受験に向けて)
上記のカードの説明
社員に資格を取得することを奨励する立場にあることから、自分自身がまず手本となるべく、試験に挑戦することを決意する。チャレンジャーだと自覚している。何事も自分自身で試して納得したい。段取りを考え、計画を立てる。記録やノートも几帳面にとる。その反面、計画通りにいかなくても、それはそれでかまわないとも思っている。ものごとには、まじめに取り組み、理論が大切だと思っている。理論で矛盾のあることを信頼することはむずかしい。基本的には何事にも、対人的にも誠実だ。
行動傾向を知る(SPのマークや数字の傾向から行動特性)
数字の高いカードは、クラブとダイヤに多い。ハートのカードに数字の低いカードが多いのは、クラブに主傾向があることの影響とも推察される。主傾向としてクラブ傾向が強いのは、本人も自覚している。また、対人的にはダイヤを表に出してバランスを取っている。
10、60歳男性(60歳代の生き方を探る)
上記のカードの説明
根底には「心配屋さん」「小心者」そして「面倒くさがり屋」が存在している。何か新しいことを試みたりするときは先ず「小心者」や「心配屋さん」がでてきて最悪のことを考える。しかしその内に「面倒くさがり屋」が出てきて、新しいことや仕事の損得を考え実践する。実践が慣れてくるとムダがないように「だんどり屋」がでてくる。自分の中のエネルギーの源泉は負けず嫌いである。誰かに勝つというより負けないために頑張る。人からは社交的と写って見えるが自分ではさほど思わない。年齢的なものもあって健康等、将来の不安も根底に大きく存在している。
行動特性を知る(SPのマークや数字の傾向から行動特性)
SPトランプのマークの傾向から自分の行動特性を見ると、スペード・ハートマークが多く行動は能動的傾向にある。自己主張が強く、行動は積極的な傾向にある。基本的欲求は自分で達成したい決断したい欲求が強い。数字的には比較的高いものが多く自己効力感は高い。しかし行動は一人で行うほうを好む。ダイヤのカードがないので人と一緒に行動することが少ない傾向にある。人生、絶えず攻めの姿勢で新規開拓を数多く行ってきた。ところが攻めることに疲れも出てきたのかしんどくなってきている。また仕事を達成しても満足度が少ない。特にムダのない「だんどり屋」や「ガンバリ屋」のカードを切ることにためらいを感じることもある。かといってのんびりしたりゆっくりしたいとも思っていない。スローライフはあこがれるがかえって疲れる。本来は「社交家」「情熱家」「チャレンジャー」といったハートのカードが多く基本的な欲求は「賞賛・承認」欲求が強かった。それがスペードのカードのほうが上回っている。現在は赤い人間志向のカードより黒い課題・仕事志向のカードのほうが数多く出ている。50代は多くの仕事を段取りよく実践してきたのかもしれない。
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