SPトランプを使ったプログラムの感想は「面白い!」
受講生の中には気難しい顔した企業の管理者や学校の校長先生から20~30代の若い層、そして大学生、高校生、中学生まで受講生の巾も広い。しかし参加者が口にするのは「面白い!」という感嘆詞である。確かにトランプという子供の頃一度は手にした室内用ゲームであったり、他者から自分の印象について直接フィードバックされる緊張感も加味されている。しかし「面白い!」や「楽しい!」の声があちこちで聞かれSPトランプのワーク(演習)が始まると研修会場の体感温度は2~3度上がる。研修なら研修にふさわしいことば、例えば「自己理解が深まった」「自分のことが理解できいい勉強になった」「仕事に役に立ちそう」等々よりも、講師に配慮してかすまなさそうに「面白かったです」の感想が一番多い。過去20年間実施しての感想はSPトランプを使ったワークは、なぜ「面白い!」という声を多くの人が発するのかである。面白ければそれでいいのではないかという考え方も筆者にはある。その理由を考えれば考えるほど「面白い!」という本質から外れてしまうかも知れないという考え方も片方である。しかし「面白い!」という言葉を人間が口にするのは、より人間の本質に近づいたり魂(こころ)のバイブレーションが起こっているからだと考える。
この理由については次のように考察している。
1、それぞれ違った時間、場所、場面で出てくるSPを意識化し、同時に机の上に配置することによって心の中にあるSPを体系化できる。合わせてここに同一化していたSPから脱同一化してより高い視点(俯瞰した視点)で自分を俯瞰できる。
2、他者からフィードバックを直接受けることによって、普段聞く機会が少ない他者からの自分への印象を知ることができる。職場のメンバーからの多面診断などデータに加工されたものや職場の上司や家族からの手紙など間接的なフィードバックは一般的に研修で活用されているが、直接のフィードバックは参加者の心理的な抵抗や講師側の心理的ケア―もあって導入しにくい。しかし多くの日本人にとって他者からどのように映って見えるかは気になるところでもある。
ジョハリの窓で、ある程度説明がつく。ジョハリの窓はサンフランシスコ州立大学の心理学者ジョセフ・ルフト (Joseph Luft) とハリー・インガム (Harry Ingham) が発表した「対人関係における気づきのグラフモデル」のことを後に「ジョハリの窓」と呼ぶようになった。 ジョハリ (Johari) は提案した2人の名前を組み合わせたものである。
ジョハリの窓wikipediaより引用
自己には「自分も他人(周囲)も知っている開かれた領域」(open self) と「自分は知っているが他人(周囲)は知らない隠蔽された領域」(hidden self)、「自分は知らないものの、他人(周囲)からは知られている盲点の領域」(blind self) と「自分も他人(周囲)からも知られていない未知の領域」(unknown self) もあると考えられる。
SPトランプを使ったワーク(前述)自分にぴったりくる SPを10枚選び、配置した内容を研修の同じグループの人に説明することによって周囲に自分のことを知ってもらう領域(上段)を増やし。そして他者から自分の印象についてフィードバックしてもらうことによって左側の自分が知っている部分を増やす(自分が知らない部分を減らす)目的がある。その結果未知の領域が小さくなることにより公開された領域が大きくなる。このことで研修の中で参加者の防衛機制が弱まり、自己はより自由になり開放的なコミュニケーションが行われるようになる。SPトランプという遊戯用カードを使うことによって自己の内面の説明や他者へのフィードバックの心理的抵抗感を和らげていると考えられる。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます