テレジンのちいさな画家たち詩人たちという同じ内容の展示会が北九州市の2会場で行われます。
是非皆さんに見ていただきたいと思い紹介しました。
1941年、チェコの「テレジン」という町がアウシュビッツ強制収容所行きの「中継地」とされました。
親と引き離され集められた子どもたちは約15,000人。
そして生き残ったのはたった約100人・・・。
ドイツの降伏の1945年5月8日、テレジン収容所には4,000枚の絵と30編の詩が残されていたのが発見されました。残された資料からはある大人たちが命をかけて「目の前には死しかない心の凍った子供たち」に「生きる力」をもたらしていたのがわかったのです。
子供たちの「いのち」そのものである絵と詩にふれてみませんか?
そしてその声に耳を傾けてみませんか?
北九州市内外で活躍している画家の黒田征太郎さんがこのお話を聞いて共感していただき、今回のチラシの題字を描いてくれました。
何か心に受け止めていただけたら幸いです。
◆テレジンのちいさな画家たち詩人たち◆
入場無料 32点のパネル展示
①2010年7月27日(火)~8月1日(日)ただし、7月31日(土)は休館
11:00~18:30(初日13:00から、最終日17:30まで)
北九州市立八幡図書館 2階集合室
北九州市八幡東区尾倉2丁目6-2 TEL:093-671-1123
JR八幡駅を下車→正面の大通りをまっすぐ上に行き、ロータリーのある場所(八幡市民会館)角を左に曲がる
②2010年8月3日(火)~8日(日)
10:00~19:00(初日13:00から、最終日17:00まで)
北九州市立戸畑生涯学習センター
北九州市戸畑区中本町7番20号 TEL: 093-882-4281
JR戸畑駅より徒歩で約3分、ウェルとばたの向かい側
・8月3日(火)13:00~ 谷本仰によるバイオリン演奏
・8月7日(土)15:00~ 垣内美希、野田いづみによる音楽と身体表現
・8月8日(日)15:30~ 地域の子供たちによる朗読や谷口淑子によるピアノ演奏、原田大裕によるリコーダー演奏
問い合わせ先 そよぎの会テレジン実行委員会http://soyoginokai.web.fc2.com/index.html
北九州事務局 TEL:093-871-2280(鍬塚くわつか)
福岡市会場も7月に開催されます。
詳しくは福岡事務局TEL:092-731-0136(水口)までお問い合わせください。
テレジンを語りつぐ会・野村路子さんhttp://www.todoland.co.jp/nomura/nomura.html
の講演会が福岡市の西南コミュニティーセンター(有料1,000円)で開催されます。
鍬塚さんからのメッセージの一部分
・・・おとなはドイツ軍と交渉し、歌とゲームの集会を開く許可を得ました。
そしてこっそり絵を子どもたちが描けるようになったのです。
紙や鉛筆絵の具は不足です。ドイツ軍の事務所からこっそり(見つかったら殺されます)くずかごの紙を持ってきます。
何もなくなったとき、親は寒いにもかかわらずセーターを少しほどいて渡しました。お母さんの匂いがすると、子どもたちはその僅かな毛糸を抱きしめたことでしょう。
そして、子どもたちは「明日はここから出られるかもしれない」「お父さんお母さんに会えるかもしれない」とおとなから励まされ、すっかり忘れていた楽しかったことを思い出しました。そして笑顔を取り戻しました。それが絵に残りました。
また、おとなのひとり、画家のフリードル・ディッカー先生は収容所では番号でしか呼ばれなかった子どもたちに
「あなたにはお父さんお母さんから貰った名前があるでしょ。絵には名前を書きましょう」と言いました。
それでほとんどの絵には名前が書かれ、それによって、生年月日とアウシュビッツへ送られた日が、パネルの絵につけるられています。
名前の分からない絵もあります。きっと完成してから名前を書こうと思ったのでしょう。完成前に餓えや病気で、あるいはアウシュビッツへ送られて命が消えたのかもしれません。
わたしには名前があり、一人の人間なのだという、些細なことですが人間の尊厳を子どもたちは取り戻したと、この話を聞いて思いました。
自殺者が年間3万人、それも若年層が増えている状況で、死が目前にあっても希望を失わずに絵を描いた子どもたちがいたことを、知ってほしいと思いました。
「べつにー」としか言い表せない(もっと奥には色々あるのだけれど、表現するととややこしくなるし面倒だし・・・・)今の子どもたちは、ある意味では不幸です。
不幸な子どもたちを生み出したのは、わたしたちおとなです。
テレジンの子どもたちの絵を見ることで、すぐにそれが変わるとは思いません。
でも、心の片隅に残りそれがいつか、何年後か、「ああ、そうだったのか」と芽を出すことを信じます。・・・