4197.~通分~
「知的障害・発達障害をもつ生徒さんの 個性と可能性を伸ばす!」: 造形リトミック・発達支援教室 Elephas(エレファース)
・・・明るく、楽しく、さわやかに・・・
~今日のElephasブログ:「数学用語、どれを選択?」(9月30日)
おはようございます。朗豊ゼミナールの井上です。
支援学級に籍を置く中学1年生のYさんは分数のたし算、ひき算で、
どうしても分母どうしを足したり引いたりしてしまうのです。
原因を突きとめたところ、通分という概念がよくわかっていないようでした。
そこで講師は通分に変えて「最小公倍数」という言葉を使ってみることにしました。
すると、「それなら知っている」という返事が返ってきました。
講師は念のため「最小公倍数って何」と聞くと、
Yさんは「2と3の最小公倍数は6」「5と6の最小公倍数は30」と勢いよく答えました。
講師は思わず「すごい。完璧」と言っていました。
「最小公倍数は分数のたし算やひき算をするときに必要だよ」と言うと、
興味を持ったのか身を乗り出して取り組み始めました。
この後、通分という言葉は一切使いませんでしたが、
Yさんは分母の違う分数のたし算やひき算をマスターしていきました。
当たり前だと思うような言葉が必ずしもそうとは限らない。
教科書に書いてあるから、学校で習うからと言っても何の解決にもならない。
本人に浸透しているものを見つけ、それを軸に身につけさせてあげることが伸びることにつながります。
◇ワンポイント・メッセージ
「本人に浸透している用語を軸に理解を図る」、その通りですね。「通分」よりも「最小公倍数」という用語が、ピンとくるYさん。ひとつ、成功例ですね。講師の皆さん、他の生徒さんにも試みてみましょう。それにしてもYさん、「最小公倍数って何?」という先生からの質問にすぐ答えられるとは、すばらしいですね。