極私的映画論+α

+αは・・・日記です(^^;
最近はすっかり+αばかりになってしまいました(笑)

黒い画集 あるサラリーマンの証言&ゼロの焦点

2022-06-13 19:45:38 | 日本映画(DVD・TV)
 黒い画集 あるサラリーマンの証言 (1960)95分

 大森に妻子を持つ石野貞一郎は丸の内にある大手繊維会社管財課の課長、部下である梅谷千恵子を愛人として囲い、西大久保のアパートに住まわせていた。12月14日夜、石野は見送りたいと申し出る千恵子と一緒にアパートを出る、人目もあることから千恵子より少し間を置き共に大通りへ出ようとしたところ、自宅近所の住民で、保険の外交員である杉山孝三に突然頭を下げられ、石野は反射的に頭を下げ返礼してしまう。帰宅後、妻子には渋谷で洋画の2本立てを観て遅くなったと巧く取り繕うが、その夜から杉山が自分の不審な所在(千恵子の件)を吹聴しないかと不安になる。2週間後、突然会社に刑事が訪れ、向島で起こった殺人事件に関する杉山のアリバイについて、石野は証言を求められる。








 ゼロの焦点 (1961)95分

 板根禎子は26歳。広告代理店に勤める鵜原憲一と見合い結婚した。紅葉が盛りを迎えている信州から木曾を巡る新婚旅行を終えた10日後、憲一は、仕事の引継ぎをしてくると言って金沢へ旅立つ。しかし、予定を過ぎても帰京しない憲一。禎子のもとにもたらされたのは、憲一が北陸で行方不明になったという、勤務先からの知らせであった。急遽金沢へ向かう禎子。憲一の後任である本多の協力を得つつ、憲一の行方を追うが、その過程で彼女は、夫の隠された過去を知ることになる。








 両作品とも私が生まれた前後に映画化されています。

「黒い画集」の方は、舞台が東京ということもあって、1960年の東京を観ることができます。話も令和の現在でも有り得そうな話なのがとてもおもしろいです。主人公を演じた小林桂樹ですが、実は当時まだ36歳。役柄は40代半ばなのですが、全く違和感がありません。愛人役の原知佐子が23歳位で、今の時代にいてもいいようなグラマーではないものの肉感的な小悪魔でした。どうしても山口百恵「赤いシリーズ」でのイケズな役の印象が強いのですが、理知的な色気たっぷりです。

「ゼロの焦点」は舞台が北陸能登半島で、当然なことながら雪の白と海の黒が白黒映画にふさわしく、どんよりと重苦しい雰囲気がこの映画の特徴です。広末涼子主演でリメイクされたものはそんなに重苦しい雰囲気はありませんでした。あと、主要キャストの「立川」での話をセリフだけで済ましているので、その点もリメイク版を評価してあげたいですね。1960年の「加賀屋」が出てくるのはなかなか面白かったです。
 また、断崖絶壁での犯人の告白などはこの映画がオリジナル。現代に至るまで「断崖絶壁」は2時間サスペンスなどでは犯人の告白の定番です。私は大学時代に能登半島一周ドライブをしたときにこの「能登金剛」「ヤセの断崖」を見に行ったのも懐かしい思い出です。

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