日本統治下の京城で教師をしていた澤田智一は、妻の静子とともに故郷の福田村に帰ってきた。同じ頃、沼部新助率いる薬売りの行商団が、四国の讃岐から関東へ向けて旅立つ。やがて9日1日を迎え、関東地方を未曽有の揺れが襲う。多くの人々の命が失われ、関東一帯は大混乱に陥る。そんな中、様々な流言飛語が飛び交い、福田村にも“朝鮮人が集団で襲ってくる”などの真偽定かでない情報がもたらされ、疑心暗鬼に陥った村人は恐怖に浮足立つのだったが…。
Blu-ray ★★★☆
実際に起きた事件を映画化する場合本当に難しい話で、しかもこの映画の内容は「エンターテインメント」としては成り立たないわけで・・・
で、事実のあらましを紹介すると
「1923年9月、関東大震災から5日後の千葉県東葛飾郡福田村で、朝鮮人に対する悪意ある流言飛語を信じた村人たちによって、香川からやって来た行商団15人の内、幼児や妊婦を含む9人が殺害される事件が発生する。」という、メチャクチャな話なわけで。
関東大震災の際、朝鮮人が暴動を起こすとか、井戸に毒を入れたとかで、何千人も自警団などの手によって虐殺されたり、大杉栄やその妻伊藤野枝などの社会主義者が虐殺されたとか、そういった事件は知っていましたが、この「福田村事件」のような日本人の犠牲者も数十人いたとか。
で、問題なのは、劇中で永山瑛太演じる香川の薬売りの親方が「鮮人なら殺してもいいのか!」と叫びましたが、日本は属国としていた朝鮮人を差別し、虐待し、「暴動を起こす鮮人は殺してもいい」などという考えがはびこっていたわけです。現在のように日本国内のあちこちの方言が・・・って言っても、全くわからない方言も多いわけなので、100年も昔なら、関東地方の人にとって四国香川の言葉は、鮮人に思えたみたいです。
レベルが全く違う話ですが、現在の日本ではネットでの発言や行動などによって誹謗中傷を受け。。。もちろんこの誹謗中傷をする人たちは極々少数なのですが、マスコミもまたそれを面白おかしく取り上げ、知らない人たちにも流布してしまう恐ろしさがあります。言いたいことは言っては(ネットに上げては)いけない現在ですし、芸能人や有名人などもテレビなどで思わず本音を言っただけで、叩かれまくる現状があります。
ネット上での誹謗中傷で自ら命を絶ってしまった人も有名無名にかかわらず多数出ています。
これは大きな事件があったときに一時的に小康状態になり、すぐに復活する繰り返すように思います。
「福田村事件」を観て、現在でもこういう悲しい事件が形を変えて実在するように思います。
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