誘拐報道 [DVD] | |
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豊中市の小学1年生の三田村秀之君が下校途中に誘拐された。県警より、犯人が秀之君の父親に3千万円を要求していることが発表される。同時に報道各社に対し子どもの生命を守るため“報道協定”が要請された……。
WOWOW ★★★
実はこの映画、公開当時映画館で観ました。その後レンタルビデオか何かで観ていらい、おそらく30年ぶりに観たかもです。実際にあった事件を読売新聞大阪社会部がノンフィクションルポとして書籍化したものを原作として映画化したものです。実際に起こった事件の概要は以下のとおり
被害者は、豊中市の私立学園に通う小学一年生(当時7歳)で、宝塚市の歯科医師の長男。下校時、阪急中山駅(現在の中山観音駅)付近で誘拐される。1月23日16時40分、歯科医師宅に容疑者から身代金3千万円の要求の電話が来る。同日20時36分、県警記者クラブに属する一部の新聞社と連絡が取れないため、報道協定の仮協定成立。その後、本協定が結ばれる。1月24日9時すぎ、立地条件の良さ(あたりは人や車の動きが激しく、記者団の出入りは目立ちにくい上、直売所は、いわば身内。宝塚署も、被害者宅も近い)から、読売新聞本社および支局の前線待機本部を宝塚直売所に設置。1月25日、8回におよぶ電話での取引の末15時前、武庫川の堤防で、兵庫県警の自動車警ら隊が容疑者を緊急逮捕。被害者は、両手、両足、口、目にガムテープを張られ、犯人の車のトランクに入れられていて、47時間の監禁の末、保護される。同日15時半、兵庫県警は報道協定解除を宣言。 なお職務質問により被疑者逮捕にこぎつけた自動車警ら隊の隊員2人は警察庁長官賞詞を受け一階級特進となった
しかし、容疑者逮捕の瞬間を読売本社のヘリコプターが現場上空から撮影し、報道協定解除前に撮影したことで、協定違反に問われ、読売新聞は兵庫県警察記者クラブから無期限(実質三か月間)出入り禁止処分を受けた。~ウィキペディア参照
細かい設定などは変えていますが、映画の内容はほぼこの通り。原作は読売新聞大阪社会部が手がけているので「報道協定」について、重きをおいて書かれていました。この原作も当時文庫化された際に読みました。ただ映画化するにあたってはどうしても犯人とその家族、被害者とその家族などに触れなければいけませんし、刻々と起きる事件の内容と、記者たちの動きを両方見せるのはやはり難しく、中途半端な出来になっています。
ただ、舞台を宝塚に変え、今はなき宝塚ファミリーランドや阪急沿線の風景が沢山出てくることや、犯人の実家付近。。。丹後地方の伊根の舟屋あたりの風景は素晴らしい物があります。犯人の嫁役で小柳ルミ子が出ていますが、タカラヅカ出身の彼女、まさかタカラヅカを主席で卒業した12年後に犯人の妻役でファミリーランド界隈で撮影するとは思いもよらなかったでしょうね。
犯人役の萩原健一もなかなかの熱演でしたし、その他にもビッグな役者さんがたくさん出ています。1982年の作品なので、多くが亡くなっていますが。ただ、現在は飛ぶ鳥を落とす勢いが継続中の橋爪功が脇役でちらっと顔を見せているのがなかなか面白かったです。
あと、DVDではおそらくちゃんと見せてくれていると思いますが、児童ポルノに対してとてもうるさい昨今、この映画の中で萩原健一と娘役の当時まだ6歳で現在も活躍中の高橋かおりの入浴シーンで高橋かおりの身体があちこちぼかされているのは放送上仕方がないことだと思いました。こういうところに時の流れというか、昔は本当におおらかだったんだなぁなんて感じます。
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