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レコード会社に勤務する葛西泉は、ピアノ教室を開き女手一つで自分を育ててくれた母・百合子との間に、子どもの頃のある出来事が原因で深い溝が生まれてしまい、今もその溝を埋められずにいた。そんなある日、一人暮らしをしている母の認知症が判明する。徐々に記憶を失っていく中で、“半分の花火が見たい”と不可解な言葉を口にするようになる母の姿に戸惑いを隠せない泉だったが…。
映画館 ★★★☆
母と息子の物語です。たしかに息子の嫁は出てきますが、基本は母と息子の物語です。
物語開始早々から母の若年性アルツハイマーが見えてきますが、だんだんおかしくなっていく様子は見ていてとてもつらいものがあります。
それよりもなによりも
劇中、長澤まさみ演じる息子の嫁が「あなたたち親子はなにかあるなって思ってた」というような台詞があるんだけど、そのことについての言及がされていないのが不満です。息子が嫁に「父親は生まれたときからいないし、小学生の頃俺を捨ててどこかにいっちゃってた」なんて台詞があり、そこ当時のシーンもあるんだけど、どうして息子を捨ててまで・・・っていうシーンがなかったことが不満です。
細かいことを言えば、菅田将暉と長澤まさみが夫婦というのも不満ですが(爆)
どうみても5歳下の弟にしか見えません。
もっと細かいことを言うと・・・母は1月1日生まれなんだけど「元旦の誕生日なんて誰も覚えてくれない」なんて言うんです。もちろん元日です。元旦は元日の午前中限定です。あと、母は介護老人ホームに入所するんだけど、「こちらがトイレでこちらがお風呂」なんて施設の担当者が教えてくれるんだけど、それぞれのドアにそのような表示が全くないこと。そんな施設は絶対にないはずです。てか、小道具さんがプレートを作るのが面倒ならそんなセリフ吐かさなければいいんです。
阪神淡路大震災の描写も全く必要ないと思うし・・・あのシーンはわけがわかりません。ひょっとしたらあの時点で母は精神を病んできたのか?また地元警察の「空巣」についての捜査もよくわかりません。
ただ、「半分の花火」については、「市民ケーン」の「バラのつぼみ」って台詞を思い出しました(笑)
あのシーンだけは、「あ、なるほどなぁ」なんて感動させられました。
あと、おそらく製作者側に意図があるんだろうけど、原田美枝子演じる母はいつの時代もなにかしら「黄色」のものを身に着けていました。一輪挿しの花も黄色でしたし。
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