ヒッチコック&メイキング・オブ・サイコ 改訂新装版 | |
スティーヴン・レベロ | |
白夜書房 |
サイコ [DVD] | |
クリエーター情報なし | |
ジェネオン・ユニバーサル |
1959年。新作「北北西に進路を取れ」が評判となる中、さっそく次回作へ向け誰もが驚く映画の企画探しを開始したヒッチコック。やがて、実在の殺人鬼エド・ゲインをモデルにした小説『サイコ』に心奪われ、映画化を決意する。しかし、優秀な映画編集者にして脚本家でもある妻アルマはこの企画に懐疑的。案の定、その陰惨な内容に映画会社は二の足を踏み、出資を拒否する。
映画館 ★★★☆
「サイコ」を作るにあたってのヒッチコック監督と奥さんの愛憎劇?(笑)実はこの映画が公開される前に「ザ・ガール ヒッチコックに囚われた女」というTVドラマをWOWOWで放送していました。これは「鳥」「マーニー」でヒロインを演じたブロンド美女ティッピ・ヘドレンがヒッチコックから受けた「セクハラ」をテーマにしたドラマでした。
なので、物語の順番から言えば、今公開されている「ヒッチコック」が「サイコ」のお話で「ザ・ガール ヒッチコックに囚われた女」が「サイコ」の次の作品「鳥」「マーニー」についてのお話です。「ザ・ガール ヒッチコックに囚われた女」は残念なことにまだソフト化されていないので、いまのところWOWOWで再放送してくれることを望むしか無いかもしれません。
物語の出来としては「ザ・ガール」の方が真実なのでしょう。みていて気色悪くなるくらい、ヒッチコックの偏執狂ぶりが描かれていました。「ヒッチコック」でもそういう場面は出てきますが、どちらかと言えば夫婦の愛憎劇に重点を置いています。
実はヒッチコックは彼の映画の歴代のブロンドヒロイン・・・イングリット・バーグマン、グレース・ケリー、ベラ・マイルズなどともおよそ「セクハラまがい」の指導があり、奥さんともその都度もめていたと思われます。ヒッチコキアンに限らず映画好きの中では有名な話なわけで、本来映画監督の評価とは仕事である作品の出来不出来だけで十分だと思われますが、どうしても高名な人間にはゴシップがつきものってことなのでしょう。
さて、この「ヒッチコック」は「サイコ」を作るにあたってのエピソードで物語は成り立っていますが、ほとんど「サイコ」のネタバレとなっているので「サイコ」を観たことのない人にはおすすめできない映画です。ただ、「サイコ」を観たことのない人はまずこの映画を見ることはないでしょうね(笑)
私はブロンド女優たちに対抗する奥さんの「女」の部分がこの映画のテーマだと思いました。どちらかと言うとヒッチコックの映画と言うよりも奥さんが主演の映画でしたね。セリフの中でも「過去の浮気」の問題などにも言及されていましたし。冒頭から奥さん役を演じるヘレン・ミレンの70前のくたびれながらも、なかなかグラマラスなボディがふんだんに出てきます(笑)これがなかなか色っぽいんですね。
また、寝る時以外はほとんどスーツ姿のヒッチコックにも笑えました。スーツ姿でガーデニングしちゃうんですもの。
そうそう、スカーレット・ヨハンソンが「サイコ」のヒロイン、ジャネット・リーを演じています。ただ、顔や雰囲気はいいんだけど、あまりにも線が細くって。ジャネット・リーの肉感的な感じがなかったのが残念です。
「落ち」もなかなか見事で、ヒッチコキアンにはなかなか楽しめる作品だったと思います。さて!今から「サイコ」観ますね(笑)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます