ロシアのウクライナ侵攻は、アメリカを盟主とする西側諸国による世界支配の終焉を暗示しているのかもしれない。
それなのに西側諸国は、いまだに根拠のない優越感で、国際情勢や安全保障をコントロールできると勘違いしている。
だから日本や西側メディアは、支援疲れなどと言ってみたり、自由と民主主義の西側諸国は、独裁国家と違い国内事情に配慮しなければならず足並みが揃わないだけだと事実を矮小化している。
しかし現実には、アメリカを盟主とする西側諸国が束になってもロシアには勝てないという不都合な事実を世界に知らしめてしまったように思える。
そんなウクライナとロシアの戦いが続く中、今度はイスラエルのガザ侵攻により、イスラエルを支援するアメリカのダブルスタンダードが露わになり世界中がウンザリしている。
これまで西側諸国は、経済力と軍事力をバックに、世界中を自由と民主主義、グローバリズムというイデオロギーで席巻し好き勝手し放題だった。
しかし、そんな西側諸国も、世界中の嫌われ者に成り下がりかねない状況だ。
最早、アメリカは西側諸国という過去の栄光だけのオールドグループの盟主ではあっても、躍進する世界の盟主ではなくなった。
しかし、そんなアメリカにすがるしかないのが今の日本。
資源が無く、食料も自給できず、戦争抑止の切り札の核兵器も無いうえに、地震、火山、台風など世界トップクラスの災害大国。
自慢の経済も少子高齢化で衰退の一途。
GDPもドイツに抜かれて世界4位、近いうちにインドやインドネシア、さらにはブラジル、ロシア、メキシコにも抜かれる運命だ。
そんな日本、地政学的にも最悪な立ち位置。
NATO諸国と地続きのウクライナと違い、周囲を西側諸国と敵対するロシア、北朝鮮、中国に囲まれている。
アメリカに見放されたら、まさに四面楚歌。
さらに気掛かりなのは、西側陣営のはずの台湾は中国、韓国は北朝鮮と元々同じ国だから、まさにウクライナとロシアの関係そのものの「極東の二大火薬庫」。
とにかく日本は絶体絶命なのに、政府や国民には、そんな絶対絶命のピンチを脱出するための覚悟が全く無い。
このままでは日本に未来は無い。
ただ、悲観ばかりしないでよく考えてみると、日本は、まだまだ捨てたものではない。
特にアメリカにとって日本は、補完関係になり得る点が多いからだ。
アメリカ経済は、ソフト化、サービス化が加速し過ぎて、製造業が衰退。
一方、日本は、ソフト化、サービス化で出遅れて、未だに製造業が主流。
これだけでも日米の補完関係は十分ウィンウィンだ。
軍事面では、既にたくさんの米軍基地があるうえに、日本にとって唯一の軍事同盟である「日米安全保障条約」もある。
よく考えて欲しい。
地政学的には、アメリカが極東の日本という同盟国を失えば、遅かれ早かれ台湾、韓国、さらにグァムやハワイも陥落。
そうなれば、太平洋を挟んでアメリカ本土が最前線になる。
アメリカにとって日本は生命線なのだ。
だからこそ、日本はこの機会にアメリカに統合を申し入れて、アメリカ合衆国の51番目の州になることを目指すべきだろう。
条約レベルの同盟関係なんて、いつでもちゃぶ台返しで白紙にされかねないからだ。
政府と自民党には「アメリカとの統合」を最優先政策にして推進してもらいたい。
もしアメリカがそれを受け入れなければ、日本は核兵器大国に向かって、第二の北朝鮮を目指すしかないだろう。
北朝鮮は恐ろしいが凄い国。
アメリカに徹底的に叩かれ続けてきたのに、ロシアや中国の属国にもならずに、我が道を突き進んで核兵器大国となり安全保障を手にしている。
「こんな話は冗談」と言いたいし、こんな未来にはならないと信じたい。
しかし、今の日本に必要なのは「最悪を想定して最善を尽くす」ことだろう。