日本人は、ロシアなんて、アメリカやNATOが参戦すれば、一溜まりもないと考えているようだ。
アメリカやNATOも、ウクライナに軍事介入したいが、ロシアが核兵器を使うから、介入できないと弁明している。
しかし、よく考えて欲しい。
核戦争になるから、ウクライナに軍事介入しないと宣言したアメリカ。
そのアメリカが、核大国中国の台湾侵攻に対しては、軍事介入する勢いだ。
ロシアとの核戦争を恐れて、ウクライナに軍事介入できないアメリカが、台湾有事なら軍事介入できる。
まさに詭弁。
支離滅裂なロジック。
それどころが、アメリカの代理で、ウクライナが、ロシアと戦っているというのに、アメリカが、さらに台湾有事に軍事介入するなどということは、ウクライナを見捨てることと同義だろう。
だから、アメリカは、台湾有事となっても、軍事介入しないだろう。
そもそも日本人は、大切なことを見落としている。
アメリカを含めた西側諸国は、過去30年以上、ソフト経済優先の政策を、続けて来た。
そのせいで、通常兵器の生産に必要な、鉄鋼、造船、機械、特殊鋼、化学などの重厚長大産業は、著しく劣化している。
ハッキリ言って、アメリカや西側諸国の経済は、ITや金融、サービス産業による張りぼて状態。
製造業は、最早、スクラップレベル。
だから、途上国やテロリスト相手の、弱者との戦争なら、華々しい戦果を上げられるが。
バリバリの軍事大国のロシアや、世界の工場と言われる中国相手では、どうなるか分からない。
万一、西側諸国が、ロシアや中国との通常兵器での戦争で敗北したら、世界は、西側諸国を、見下すようになるだろう。
世界のバランス・オブ・パワーは、一気にアンチ西側諸国に傾いてしまう。
そうなったら、日本を含む西側諸国は、パニックだ。
おそらく、戦略国家アメリカのことだから。
そんな未来を先読みして、いろいろな策を講じているのだろう。
そう考えると、アメリカが、欧州西側諸国より高い工業生産力を持つ日本や韓国に、擦り寄ってくる理由も分かる。
だから日本は、アメリカや欧州西側諸国に利用されて、ウクライナのように捨て駒にされないよう、世界3位の経済力のある今のうちに、軍事大国を目指すしかない。
「戦争と平和」、極めてアンビバレントな価値だが、日本の平和のためには、軍事大国を目指し、シタタカに生き延びなければならない。
最早、この世界は、狂ってきているからだ。