日本では、いまだに定期採用が主流。
ただ、さすがに終身雇用は昔話になりつつある。
それでもメディアでは、採用関連の記事を盛んに取り上げて、大学や学生間の競争を煽っている。
まだ何者でもないのに、有名大学を卒業して、有名企業に就職した若者を勝ち組扱い。
一体どういうつもりなのか理解不能だ。
勝ち組扱いされれば、気分は最高だろう。
しかし、それが勘違いだと直ぐに思い知らされるかもしれない。
人生の入り口で上手くいったからと言って、人生万々歳なんて考えていたら後悔するだろう。
分かりきったことだが、今人気の総合商社やコンサルやメガバンクや巨大メーカーに入っても、日本では今だに、時代遅れの平社員からの叩き上げ競争。
しかも、競争相手は、受験、就活時代の勝ち組の頭がよくて要領の良い連中ばかり。
そんな彼ら彼女らと勝敗が決まるまで数十年にわたって続く熾烈でクレージーな我慢比べ。
希望の部署に配属されて、嬉しさのあまり仕事にばかり夢中になっているうちに、あっさり海外留学をして学位をとってくる同期が出てきたりする。
一流企業ほど、上には上がいるのだ。
死に物狂いで頑張っているのに、いつの間にか、同期の間で差が出てくる。
それも、配属部署の当たり外れや、上司、同僚との相性など、本人の能力とは無関係な運不運によるファクターも大きい。
しかし、そんな不公平で理不尽な競争を乗り越えて一選抜で昇進していかなければ、ノンキャリアだ。
そうなれば、社内での自己実現なんて、夢のまた夢。
待っているのは、出向、転籍、リストラ。
それがイヤなら転職しかない。
企業なんて、普通の精神では耐えられない異常な世界なのだ。
昔と違い、今の若者は、そんな企業の現実を理解しているのだろう。
しかも、昔と違って今の若者の方が、選択肢がたくさんあるから、たとえ有名企業に入っても、そこで自己実現ができないと判断すれば、さっさと辞めるのだろう。
それは、それで良いことなのかもしれない。
最近のビジネスの世界は、文字通り日進月歩。
しかも、人間の仕事が、AIに取って代わられるシンギュラリティの時代を迎える。
そんな、SFのような時代を迎えるビジネス社会では、昔のように我慢していれば報われるなんてことは絶対にない。
さっさと見切りをつけることも必要かもしれない。
新入社員の皆さんには、シンギュラリティを迎えるビジネスの世界で、AIと共存して素晴らしい人生を謳歌してもらいたい。