日本では、少子高齢化により経済成長が停滞し、国民の間の格差が拡大し続けている。
高齢者や経済的弱者救済のための福祉予算が増大し、財政赤字は拡大し続けている。
そこにコロナ禍。
さらには、ロシアのウクライナ侵攻で第三次世界大戦のリスクまで飛び出した。
これで世界中の国々が軍拡競争へと邁進すれば、日本ばかりでなく、世界の未来は危機的状況。
人類は愚かだ。
そうは言っても、期待できる未来が無いわけではない。科学の進歩が人類を救うかもしれない。
SFの世界では、科学の進歩は、なぜか人類の破滅をもたらす話が多い。
しかし、AIの進歩はこれまでの科学の進歩とは全く異次元。人類が今まで手にできなかったような幸福を、もたらすかもしれない。
振り返ると、この地球上で76億を超える人類が生きていけるようになったのは、まさに科学の進歩の成果。
「権力欲だけの腐った政治家」しか生み出せなかった「民主主義」や、「強欲な資本家」しか生み出せなかった「資本主義」。
時代錯誤と化した「民主主義」と「資本主義」という「2大パラダイム」を、科学の力でなぎ倒すことができる機会が訪れる。
「国家」という人類進化の中で行きがかり上、生まれたに過ぎないコンセプトなど、AIの世界では消え去るのみ。
労働をしなければならないという価値観も捨て去られるだろう。
政府も企業もいらなくなる。中央銀行もいらない、通貨もいらない、経済学など無用な学問となる。私のライフワークだった法律学だっていらなくなる。
この世界がユートピアになるかもしれない。
ただ、気がかりがある。
人類の持つ、様々な感性のうちの「論理的整合性の追究と真理の探究」という一面を化体したAI。
そんなAIが、人類という生物の、生物故の「非論理的曖昧さや不合理な感性」を受け容れてくれるだろうか。
やはり「神のようなAI」が必要と言うことなのかもしれない。