Hiroshi Mukaide(向出博)Time Traveler

政府が 市場介入を続け 株価を上げて 好景気を演出しなければならない「仮想資本主義」に 未来は無い

日本の株価は、高止まり。

政府が市場に介入して、一生懸命に「日経平均株価」を上げているのだから、高止まりは、当たり前か。

株価が下がって、日本経済が崩壊するという「最悪のシナリオ」を回避するためだから、それはそれで、政治判断。

ところで、株価が下がると、一体どんな不都合が生じるのだろうか。

考えてみた。

①会社のオーナーである株主の損失が増える。ただ、株を売らなければ、評価上の損失であって、実際の損失とはならない。

しかし、株式の評価上の損失は、金融の世界ばかりでなく、実体経済に影響する重大問題

ただ、この評価損は、実体経済が回復すれば、自ずと解消される。しばらくは、株が塩漬けになるけど。

②株価が暴落すると、誰もが「不況が来た」と萎縮し、経済が冷え込む

それで、企業活動は低迷し、採用は落ち込む。設備や従業員のリストラも始まる。

企業の、金融機関からの資金調達も難しくなるので、中小企業や時代に取り残された大企業にとっては、死活問題。

ただ、内部留保を溜め込んだ優良企業にとっては、大きな問題ではない。

③株価が下がると、企業が株式市場で資金調達をしようとする際、調達できる資金が減少する。

新規上場を目指す企業にとっても、上場時の株価が下がり、調達できる資金は、減少する。

大問題である。

しかし、実体経済が落ち込んで、株価が下がっているときに、増資や新規上場を目指す企業は、あまりない。


結局、株価は、実体経済を反映するものだから、敢えて、政府自ら、株式を買い上げてまで、株価を支えることに、どのようなメリットがあるのだろう。

それは、市場から「恐怖」を取り除くことだ。

株価は、時として、実体経済とは無関係に暴落する。

だから、市場には、常に暴落という「恐怖」がつきまとう。

政府が、経済や株価の動向に応じて、市場に介入して株価を支えることには、意義がある。

ただ、そうは言っても、今のように、実体経済を無視してまで、ひたすら株高だけを演出することに、どのような意義があるのか。理解不能だ。

政府が、「ゼロ金利、円安、株高」により、好景気を演出し続けてきた挙句の果ての、コロナ禍。

コロナで破綻に瀕した経済に対しては、何をやっても弥縫策に過ぎず、効果は期待薄。

それなのに、株式市場だけは別格。政府の市場介入の効果は絶大。

ただ、こんなことを続けていたら、終いには、株式市場を歪めるかもしれない。

そこまでいかなくとも、日本の主要企業は、「筆頭株主政府」という国営企業のようになってしまう。

まあ、どうせそこまでいったら、企業で働く正社員ばかりでなく、フリーランスも契約社員も、みんな公務員にしてしまえば、賃金や年金に対する不安も、格差も解消できるかもしれない。

この日本から、失業も不況もなくなり、万々歳だ。

いや、待てよ、それでは昔、どこかの社会主義者が唱えていた戯言の世界に逆戻りではないか。

まあ、そのようなことに、ならないことを祈るが、一歩間違えば、「資本主義の末路が社会主義」なんてことは、勘弁して欲しい。

政府が、市場介入を続け、株価を上げて、好景気を演出しなければならない「仮想資本主義」に、未来は無いのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 


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コメント一覧

sekoisyougioyaji
新しい資本主義=○会主義⁈
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