日産自動車、三洋電機、シャープ、東芝の家電事業、パイオニア、NEC・富士通のパソコン事業、中外製薬、レナウン、ラオックスなど。
いつの間にか、多くの日本企業が、外資の傘下に入った。
国内にも、たくさんの外資系企業がある。
今や、東大生も、中途半端な日本企業に入るより、外資系企業に入る時代。
英語を学ぶために、アメリカに留学するのが、当たり前となった。
帰国子女も増え。外国語学部の学生でなくても、大学卒業までに、英語をマスターしている学生は多い。
その昔、多国籍化を目指す大企業では、毎年必ず、東京外国語大学や大阪外国語大学などの学生を採用していた。
しかし、いつの間にか、外国語大学の採用枠は、無くなった。
理由は簡単、社内留学制度が、整備されたからだ。
法学部や経済学部、理工学部を卒業して、入社した社員の中から選抜して、アメリカの大学院に留学させたからだ。
「留学は、一石二鳥」。
ビジネススクールやロースクール、理系大学院で、専門分野の修士号を取れるうえに、英語もブラッシュアップできる。
それで、いつの間にか、海外で活躍する日本人ビジネスマンの多くが、留学経験者となった。
海外人材育成という点で、「アメリカの大学院で学位を取らせる」のは、効率的。
留学中に、教授や同級生から、アメリカ社会の様々な情報を得られるばかりか、卒業後も、母校(Alma mater)の名声や、同窓生ネットワークを活用できる。
皮肉な話だが、アメリカの大学院に留学するには、外国語学部の学位では、役に立たない。専門性のない学生と見做されるからだ。
ロースクールの場合など、法学部の Bachelor of Laws(LL.B.)の学位がなければ、一流ロースクールの修士課程(LL.M.)には入れない。
ただ、最近では、どの企業もグローバル化したせいで、留学制度に金を使うより、若手社員を、自前の海外事業に突っ込んで、OJT(On-the-Job Training)で、英語(外国語)を学ばせるようになった。
会社の金を使って、個人に学位を取らせたところで、「恩を仇で返す」ような転職をする連中が多かったからだ。
そのため、今では、企業留学は下火となった。
その一方、最近では、高校卒業後、直接、海外の大学に進学する人が増えている。
今までは、あまり知られていなかった、日本の大学の、世界でのランキングのせいかもしれない。
英国のタイムズ・ハイヤー・エデュケーション誌によると、日本の大学で、200位以内に入っているのは、東大、京大の2校のみ。
しかも、東大ですら35位だ。
グローバル化する社会で、日本の大学の学歴では、通用しない時代が、もう、そこまで来ているということか。