昔は、幽霊とか、心霊現象とか、輪廻転生とか、宇宙人とかいった「超常現象」の話が大好きな人が多かったような気がする。
最近では、宇宙人は別として、幽霊が本当にいると思っている人は、あまりいないのではないか。
コロナやロシアのウクライナ侵攻などと日常が超常化しているせいかもしれない。
今日は超常現象の話だ。
そもそも、幽霊には物理法則が当てはまらない。だから、その存在を立証しようにも手立てがない。
重力や慣性の法則などとは全く無縁な存在。質量もないだろうから、アインシュタインのE=mc2なんて数式も当てはまらない。
ただ心配しなくても幽霊のことだから、霊力で、無からエネルギーを創り出せるのかもしれない。
気になるのは、物理法則が当てはまらない幽霊が、どうやってこの宇宙に登場したのかということだ。
宇宙と言ってしまうと、幽霊が場違いな感じになるのが面白い。
137億年前のビッグバンで、宇宙と一緒に幽霊が登場。
ただこれでは、まだこの地球も無かったのだから話にならない。
しょうがないので、現在の話にしよう。それでも、けっこう無理が出る。
なぜ、高速で拡大する宇宙の中で、自転し、太陽の周りを公転するこの地球上の特定の地点に幽霊がいられるのかということだ。
高性能のGPS的霊力でも持っているのか。
そうでもなければ、下手をすると幽霊は、地球の表面ではなく、深海か、地殻の奥深く、はたまたマグマの中か。
果ては地球の動きに追い付けずに、宇宙空間に放り出されてしまう。
宇宙空間を彷徨う幽霊なんて、とてもロマンチックだが、祟る相手には、永久に近づけない。
これも、霊力でなんとかなるのかもしれないが。
輪廻転生の話も、仮に魂が、全ての生き物の間で輪廻転生するならば、私たちのうちの誰かは、どこかの星の宇宙人の生まれ変わりということになる。
宇宙人の生まれ変わりなんてSF的でワクワクする。
そうではなく、魂は人の間でしか輪廻転生しないということなら、人口が爆発的に増えた現在の、およそ80億人の中には、誰の生まれ変わりでもない、魂のない人がたくさんいることになる。
魂の在庫には、限りがあるからだ。
そう言えば最近、世の中がおかしくなってきた理由は、もしかしたら魂のない人が増えたからかもしれない。
こちらは、霊力では、どうしようもないということか。
21世紀の現在、超常現象の主人公は、最早、宇宙人だけらしい。
いや待てよ、強力なライバルがいる。それはゾンビだ。