我が家からの 昨日の夕景
社会環境も 自然環境も随分変わってしまったが
変わらぬものが 空
TVなぞあるわけも無く
真空管式ラジオから流れる 笛吹き童子を聞くのが楽しみだった
絵も写ってないのに 茶箪笥の前に座ってわくわくしていた
あの頃の夢は何だったんだろう? 記憶を辿る
1番 白いご飯を腹いっぱい動けなくなるほど食いたい
2番 好きな本に埋もれて 食い物くいながら読み耽って過ごしたい
3番 ・・・・・・・・無い
満腹なんて ほとんどありえなかった
何時も腹減らしていた
そうかぁ 食えて本を読めればそれ以上の望みなんて無かった
家の手伝い終わって 山の陽のあたる斜面で
レ・ミゼラブルなど読んで 悲しくなって
でも 母の呼ぶ声なぞ耳に入らず
あの 夢中の感覚がとても幸せだったような気がする
飢えを知らない人が多くなった
飢えれば 食うこと以外のことなぞどうでもよくなる
食うことしか頭に無くなる
1週間断食すれば 塩を振った暖かい粥が
この世で1番うまい食い物だと納得する
あの頃 皆 野菜は自給していた
山の開墾した畑に 天秤棒かついで
下肥を桶で母の所まで運んで 大汗かいて
帰り道 湧き水の冷たさが喉を通る時の
ゴクゴクのあの幸せ
手拭いを湧き水に浸して
顔の汗を洗い流す爽快感
もう すっかり忘れていた
小さな満足が とても大きい幸せ感になる時もある
あの頃から較べたら
今は天国みたいなもんだ
でも 飽食するほど 満たされるほど
心が飢えてしまうってこともある
皮肉なものだ
上を見れば切が無い
下を見れば底は見えない
上を見れば 死が笑顔で待っている
下を見れば 死が待ち構えている
同じじゃねぇか
いろんな事はあるのは当たり前だが
いろんな事があるから退屈しないって事もある
今が 1番いいか
そうだな 今が1番いい
今日も暑くなると言っている
気温の変化についてゆくのは結構しんどいが
今日も元気でテレビ体操
しっかし 相変わらず前屈が
さて 朝ごはん