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父の終戦と満州ひきあげ記 2〈小学校〉

2021-02-24 21:00:00 | 日記
スマホで簡単にいろんなブログを読めるようになっている現代。

5年前に肺癌でなくなった父が
残した幼い日の記録を

私たち家族だけではなく
どこかの誰かにも読んで欲しいと
ふと 思いついて書きます。
父の満州の思い出を。


小学校

 わたしが入学したのは、満州国奉天市深海在満小学校で、大きな川を越えた随分遠くにあったように思う。
わたしが小さかったから そう感じたのかも知れない。

冬にはその川に氷が張り、木材を積んだ荷馬車が、近道をするために川の上を渡っていた。

下校時に野犬に襲われた時のために、木に登って逃げる訓練を上級生にさせられていた。

うちの官舎から通っていた女の先生が、ひとりで帰宅中、たくさんの野犬に取り巻かれ、長時間たちすくんでいたら、人に助けられた という話を聞いた。
母がいろんな注意をしてくれていたので、覚えている。
野犬は人間の肉を食べているせいか、とても大きくて、目が赤く、いつも群れていたので大変に怖かった。

便所

冬には便所の大便が、逆つららのようになって尻に届いてしまう。


父が戸外の汲み取り口から便所に入り、金づちでカンカンと叩き折り、袋に入れて持ち出していた。臭いもなくきれいなものだ。
戸外で立ちションをしても、あまり流れないうちに凍っていた。

ペーチカ
家の中はどの部屋も、ペーチカの一部である壁が出ていて、石炭を焚いていたので暖かかったが、
戸外は-35℃ぐらいになることもあったようだ。



だから町の家の軒下に、裸でコチコチに凍った満人の死骸があちこちに転がっていた。

行き倒れになって、凍え死んだ人の服を剥ぎ取って転がしているんだ、と聞いた。

また日本人の姉妹が肉を買いに行って、ひとりが外で待っている間に、中に入ったひとりが肉にされた、という噂も聞いた。