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父の終戦と満州ひきあげ記 5〈終戦〉

2021-02-27 20:23:00 | 日記
スマホで簡単にいろんなブログを読めるようになっている現代。

5年前に肺癌でなくなった父が
残した幼い日の記録を

私たち家族だけではなく
どこかの誰かにも読んで欲しいと
ふと 思いついて書きます。
父の満州の思い出を。

他の記録サイトより引用写真

日本が敗けた

大人たちが 日本は敗けたと話をしていたが、
わたしには意味がわからなかった。

それ以来、あきらさんや峰さん、その他の大人が鉄砲を持って、高い乾燥場にあがり警戒をする日が続いていたが、
ある日、『武器を納めよ』と命令がきたらしい。

武装解除は心配だ と、言ってはいたが、
命令だからと、それぞれ家にある武器を開拓団本部に持っていく話、誰が持っていくのかという話をしていた。

たくさんの38式歩兵銃や、性能のいい銃、弾薬を馬車に積んでいる姿を覚えている。
それまでは 家で大人たちが、よく銃の手入れをしていた。

満人が襲ってきたら、と 家の開口部には全部トタンを張り、大切なものは瓶に入れて、家の中の土間やオンドルの中に入れて隠した。

おそらく 日本が敗けたら”満人の襲撃があるかもしれない“という噂が あったのだと思う。

大切なお金は、ひとりひとりに分けて、胴巻きにして腹に巻きつけた。
わたしも持たされていた。