al baritono

アマチュア声楽家の独り言 ~ 歌ときどき仕事(笑)

松本美和子リサイタル

2011年11月19日 | 演奏会
「古希を迎え、父のふるさとで歌う」というサブタイトルで、御前崎市民会館でソプラノ歌手、松本美和子さんのリサイタルがありました。

大荒れの天候のせいか観客の入りがあまり良くなかったのが残念でしたが、とても古希とは思えない素晴らしい歌声をゆっくり堪能できました。

何よりも感銘したのは歌詞の処理というか、日本語をとても綺麗に歌われていたことです。クラシックの歌唱法で日本語の歌を歌うのはとても難しいと思っていました。この5月の声楽研究会の演奏会で日本歌曲を歌わせて頂いた時に、母音の浅い日本語を音符に乗せるのに随分と苦労した経験があるのですが、流石に一流の歌手は・・・。一語一語しっかり聞こえるのに滑らかです。舞台近くの席でしたので口元をしっかり拝見して発音の仕方をじっくり研究させて頂きました。

プログラムは・・第1部は「この道」「落葉松」などの日本の歌を6曲、地元の合唱団と共演で「赤とんぼ」「乾杯の歌(椿姫)」

休憩を挟んで「故郷と歌」をテーマに主催者スタッフとの対談。ちょっと松本さんに喋らせ過ぎ!と心配したら、案の定最後には少しきつそうでした。声楽家にとってお喋りって意外にダメージがあるんですよね。自分もMCやりながら歌ったりするので良く分かるんです。もう少し配慮がほしかったなあ・・

そして引き続き第2部に。プーランクとショパンのピアノソロ。このピアニストの椎野伸一さんの演奏がまた柔らかで素敵。独奏も素敵でしたが、伴奏は感動的でした。あ!自分が歌い手なので伴奏の素晴らしさに気がいっちゃうんですね(汗;

ともかく柔らかなタッチで自己主張をしない。歌にそっと寄り添うように歌のために仕事をしている。そんな伴奏でした。ああ!この人のピアノで歌ってみたい!そう思わせるピアノでした。

第2部はイタリア歌曲やナポリターナ、オペラのアリアの名曲など7曲。時に日本語で時に原語で。

そしてアンコールはマイ・ウェイをはじめ3曲も・・

途中のトークでの長話が少し祟ったのでしょうか、アンコールの頃にはちょっとお疲れの様で、流石に高音は衰えを感じませんでしたが低音域に僅かな掠れが。とは言っても、私のように何一つ聞き逃さない様に聞き耳立ててやっと気がつく程度ですから、70歳という御年を考えれば驚異的です。

隣町とはいえ、地元のご縁のあるこんなに素晴らしいクラシック歌手がいることが、ちょっと誇らしくもあり、新たな発見も出来て・・何という幸せな1日だったでしょう。

さて、明日は静岡国際オペラコンクールのファイナルです!


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