al baritono

アマチュア声楽家の独り言 ~ 歌ときどき仕事(笑)

田代マジック

2011年10月26日 | 声楽
師匠のボイトレを私はこう呼んでいます。田代マジック。

合唱で変に頑張りすぎてどんなにポジションを崩していても、師匠のトレーニングであっという間に治ってしまう。まさにマジック。

昨夜は2週間ぶりの稽古。簡単なアルペジオによるウォーミングアップ。それだけで(笑)

合唱団の発声練習とどこが違う?

師匠のスタジオでは、まず最初に息を整えて息の通り道を意識し、下半身を柔軟にしかも力強く保つ。
丹田を意識し、臍下で声を出す。低音域、下のE2(ミ)から中音域まで「ド~レ~ド」と息に声を乗せる。少しずつ息の力を上げながら中声部の響きが出来るまで。中声部の響きが出来たらE 4まで徐々に音域を上げる。高音部まで息が通るようになる頃には低音部の響きも厚くなる。その後で音域を広げたアルペジオや横隔膜(腹筋?)を使ったスタッカート。
私の声域にあった方法で私の声を確認しながら響きを作っていきます。

「郁の会」ではA4=ラ(男声はA3)のハミングから始まる。バスの1次パーサージョ(チェンジ=喉が狭くなる場所)がB3(シ)あたりなので、いきなり喉に負担がかかる。どう考えても合理的ではない。なぜAから? それはソプラノ用ですよ!

つまりですねえ、発声練習もボイトレも、その声種によって変えるべきなんだと思うんですよ。
混声合唱団だとバスからソプラノまでを一緒にやるので無理があります。そして、指導者はどうしても女声、特にソプラノ重視。

師匠からは「もう合唱はやめたら?」とよく言われます。実は昨夜も言われました(汗;

他所での発声練習は声を出しているフリをして誤魔化しますから・・と濁しておいた(汗;


信頼できる仲間の声?

2011年10月24日 | 合唱
合唱団「郁の会」を退団して1ヶ月が経ちました。

先週の土曜日は「サントリー一万人の第九」東京土曜クラスのレッスンでした。久々の「第九」合唱です。経験者6回コースの4回目ですから、そろそろ通しです。座席はバスの最後列。隣の隣は大声で名高い顔なじみの”かめさん”
歌い進むに連れて喉が上がってきて声が前にきて響きのポジションが変わってきちゃいます。まあ、「第九」って皆さん次第に気合が入っちゃってどんどんドナリッシモになりがちなんですが、それはもう(笑)ピッチが届くとか響きがどうとか子音が母音がなんかどうでもよくなっちゃう(汗;

そんな中で冷静に自分の歌を歌おうにも、自分の声の挟みどころが見つからない( ̄□ ̄;!声量は凄まじいものの響きを伴わない騒音のような中で、自分の声を混ぜ込もうとすると変に喉に小細工をしてしまいます。それがいけないことと分かってはいるんですが・・。そんな訳で、すっかり調子を崩してしまい、めちゃくちゃ疲れてしまいました。

実はシンフォニエッタ合唱団の中でも、人数は少なく、怒鳴りもしないけど、同じようになります。小人数なだけに自分の声が目立ちます。音取段階なので目立ったほうがいいのかな?とも思いながら、それでも周囲の声を聞きながらあまりに突出しないように・・と気を使って歌ってたら、同じように自分の響きのポジションを見失いました。喉に小細工しちゃって近鳴りの変な声(滝汗;

1ヶ月前に退団した「郁の会」では、長く在籍したので、仲間の中に信頼できる声がいくつかあり、その声に自分の響きを混ぜ込むという作業が楽で、無駄な力みのない自然な声が出せていたのですが、イベント型の「第九」合唱だとその都度に周囲の環境が変わるので影響を受けてしまいます。

まあ未熟といえば未熟で、こんなんじゃ「声楽をやってます」なんて恥ずかしいですよね。「郁の会」のプロ助っ人の菅井君なんかは、ソロでは素敵なバリトン声を聞かせてくれるのに、合唱では目立たずにしっかり厚みを出して支えてくれます。彼はオペラよりもドイツリートを得意にしていますので、ベルカントの様に響きが明るすぎないってのもあるのでしょうが、ソロとアンサンブルを確実に使い分けています。その辺は流石にプロです。

技術的にもっと精進しなくては!と思うのですが、それ以上に大切なのは周囲の声を信頼出来るか?という事がアンサンブルでは大事なことで、イベント型合唱団ではその場限りの大集団なので難しいんでしょう。というか、周りがどうであれ自分のすべきことを責任をもって行う事ができず、変な声を見つけては心を乱してる。その結果、今度は自分の声を乱して周囲の信頼を失いかねない・・という悪循環(汗;

発声云々というよりも、どんな状況下でもしっかり自分の歌が歌えること、そして新しい仲間たちとの信頼関係を築くことが喫緊の課題です。

ゆとりある日々

2011年10月10日 | もろもろ
郁の会を退団して2週間が経ちました。

この連休は、土曜日は地域の祭りで孫と遊び、夕方からコンサート。
日曜日は朝のうち家の片付けや掃除などして昼からコンサート、少し早めの夕食をとって帰宅。録画しておいたF1GPなど観てまったり。

今朝は、窓拭き、庭掃除、衣類の整理。そして午後は銘々に好きなことを(w

今まで郁の会の練習に行くと土曜日は勿論、日曜日も午前中はぐったり(汗;
午後も何となくダラダラと過ごすことが多く、退団してみたらなんと時間がたっぷりあることか(^^

月2回の合唱練習、月2回の声楽レッスン。しかもウィークデイなので、ゆったりと出来ます。週末は孫と遊んだり家の雑用をしたりしながらゆっくり過ごし、声楽も合唱も十分な準備をして臨めます。

とても気持ちいい時間の流れです(^^

演奏会2題

2011年10月09日 | 演奏会
■8日(土)
「静岡の名手たち」・・オーディション合格者によるコンサート
静岡音楽館AOI

田代門下の声楽家仲間、有賀美聡ちゃんが出演するので聞きに行きました。
この「静岡の名手たち」は、静岡の若手音楽家の登竜門として16回を迎える歴史あるコンテストです。第一回には第一線で活躍中の初鹿野剛さんが合格しています。
出演者は・・
 入川奨:打楽器:「サイド・バイ・サイド」(北爪道夫)
 野田舞:Sax:「「狂詩曲op.108B」(P.クレストン)
 有賀美聡:声楽:「ああ、そはかの人か~花から花へ」
         (ヴェルディ)
 浜松金管5重奏団:フロスト・ファイア(E.エワイゼン)
 岩田豊美:マリンバ:「リベルタンゴ」(E.サミュ)
           「竹林」(安倍圭子)
 望月一平:声楽:「夫としての、父としての、穏やかな喜び」
         (A.C.ゴメス)
 渡辺有夏:声楽:「愛の神よ、私を助けに来ていくれ」
         「貴方の声に心は開く」 (サン=サーンス)
 日比恵三:Vn:「ヴァイオリン協奏曲第1番二短調op.19」
         (S.プロコフィエフ)

たまたまパーカッションの入川君が静岡聖光学院吹奏楽部のOBだったので、懐かしい先生方や知り合いのご父兄の姿もチラホラと。もちろん我が声楽の師匠をはじめ同門の声楽家仲間も数名・・。ヴァイオリンの日比君は4年前の吉田町の第九で掛川オケとハバネラ(カルメン)を共演し、当時まだ高校生ながら艶やかな演奏にびっくりしたものだが、すっかり大人になり一回りも二回りも大きくなった(音楽的に)姿に感動しました。有賀ちゃんも、ホールに負けず堂々としていて、ちょっと嫉妬(笑)
いつか僕もこんな素敵なホールで歌ってみたい!

■9日(日)
日本製紙 New Wave Concert
グランシップ中ホール
第1部 
 第32回静岡県学生音楽コンクール特別賞受賞者による演奏
 山本遙菜(小6):ピアノ:中田喜直「変奏的練習曲」
 寺井理沙(高1):Vn:ブルッフ「バイオリン協奏曲第1番」
 河合雪乃(高2):Fl:イベール「フルート協奏曲」
 齋藤大輝(高3):声楽:ドゥランティ「愛に満ちた処女」
             モーツァルト「訴訟に勝っただと?」

第2部 外山啓介ピアノ・リサイタル
 ワーグナー/リスト編曲:イゾルテの愛の死
 ベートーヴェン:ピアノソナタ第8番ハ短調「悲愴」
 ベートーヴェン:ピアノソナタ第21番ハ長調
         「ワルトシュタイン」

子供たちは、それは素晴らしい演奏で、当然なことながら年齢なりの幼さもありますが、このような大舞台に物怖じせず堂々としていて将来が楽しみです。

外山さんは将来有望な若手ピアニストとして注目を浴びていますね。流石に繊細で素晴らしい演奏でしたがドイツものが3曲、しかもベートーヴェンが2曲続いたので、演目として少し単調だったのが残念でした。

2日間、注目されている若手ピアニストと、これから音楽家としての道を目指す若い人達の初々しく瑞々しい音楽に触れて、楽しい週末でした。

おじさんも頑張るぞい!(笑)