al baritono

アマチュア声楽家の独り言 ~ 歌ときどき仕事(笑)

次に向かって

2011年08月31日 | 声楽
次回のコンサートが「ヴェルディとプッチーニのアリア」と正式に告知されました。
今回の発表会のプログラムの最後に「次回演奏会のお知らせ」と題して。

日時:2012年4月1日(日)
会場:アクトシティ浜松 中ホール

既に何人かには楽曲の選定の相談が始まっていますが、仲間に聞いてみると意外に師匠から声が掛かっていない。声が掛かってはいても、「次はヴェルディよ!」とか「プッチーニよ!」とかで具体的な楽曲選定にまで至らない人がほとんどです。

彼女たちは大いに悩んでいます。声の掛からない人は「私は外れかしら?」と残念な顔をしながら「プッチーニは歌えないから・・・」とか、「ヴェルディ向きの声じゃないから__」とか・・・。
声の掛かった人は・・何を歌おうか迷いまくってます(w

僕は早い時期から「次はドン・カルロのフィリッポ二世か、リゴレットもいいわね・・」と、取り敢えずフィリッポの「ひとり寂しく眠ろう」が第一候補です。既に昨日の夜から気持ちはフィリッポです。

ですが、時間は半年・・たっぷり・・あり過ぎます。2~3曲を候補に上げ、仕込み、その後に最終的にプログラムに・・と師匠と相談しようと。

打ち上げの席では師匠から楽曲の制定をするよう知らされた仲間(ソプラノ)から椿姫の「ヴィオレッタとジェルモンの2重唱」のプロポーズもあったり(^^

暫くピンの舞台のない淋しさも感じますが、次のステップへの楽しみも・・

声楽発表会終了

2011年08月29日 | 声楽
長い一日でした。いや、長い二日間でした(汗;

土曜日、朝の9時半から青山で「サントリー1万人の第九」のレッスン。夜は「郁の会」の練習。朝は5時起きして・・。午後は何もすることなく、かと言ってホテルにでもいかないと昼寝もできません。合唱仲間数人と東京国立博物館の「空海展」へ。我が家は京都博物館に室町時代の陶器を貸してあるので無料入場パスがあるんです。お目当ては千手観音像。流石に博物館に展示されてライトアップされると、信仰の対象から見事な実術品に・・。

ゆっくりとたっぷり堪能してアメ横へ。目的は上野屋さん。ステージ衣装専門のお店です。旅回り芸人御用達みたいな、ちょっと気恥ずかしくなるようなケバイ衣装がズラリと並んでます。日曜日の発表会での衣装がまだ決まってません(汗;

今回は軽い演目なのでタキシードではなく少し崩そうかと思っているんんですが・・
そこで見つけたのが、光沢のある黒縦縞織柄のスタンドカラーシャツ。カラー部はボタン無し。前ボタンは金縁取りの黒。ライトが当たると織り地紋が微妙に光ります。これをタキシードではなく、少し細身のディレクターズスーツと合わせます。
全身黒尽くめ、ゴールドの少し大きめのラペルピンと真紅のポケットチーフを合わせると、チョイ悪オヤジ全開モード(w

あ、衣装の話ばっか(汗;

さて、その日は夜の合唱練習に出て、夜中の高速を飛ばして帰宅は深夜2時近く。本番の日曜日は10時から声出し。4時間程度の睡眠で会場についたのが30分前。かなりタイトなスケジュールですが意外に声が出ます。以前では完全に喉がダウンする状況ですが、ボイトレのお陰で無理なく発声できるようになったのでしょう。

36人も歌うのですからリハは一人3分。2曲の難しい部分だけさらって終了。後は出番を待つだけ。この待ちが・・・一番キツイです。楽屋は着替え用の上り框のようなフロアがあり、横になることも出来るのですが、ここで寝ちゃったら折角の朝のウォーミングアップもリハも台無しになっちゃいます。客席で観客に混じって仲間の歌を聞いたり、外に出て気分転換したり・・。

この発表会は演奏会と違いホールを借りて師匠の弟子たちが思い思いの歌を披露します。入場は当然無料。300席くらいのホールですが観客は出演者の一部を含めて・・そうですね常時100名弱でしょうか。出演者の知人や、我々の演奏会の常連さんたちです。中には前の席に陣取って歌い終わるごとにプログラムにしきりに何か書きこんでいらっしゃるご婦人も。結構厳しいチェックが入ってるんだろうか(汗;

さて、自分の出来ですが・・さらっと自分の空間を作ることができちゃいました(笑)Idealeも柔らかく入ることが出来たし、ドン・ジョヴァンニも軽やかにレガートに歌えたし・・。短い曲でしたがあっけなく終わっちゃって物足りない(w
折角調子よく歌えてるのに・・もっと歌っていたい・・と思いながら舞台を降りました。

終演後の打ち上げでは、師匠から「歌も振る舞いもとっても素敵でしたよ。これからが楽しみ・・」と初めてダメ出し無しの満点を貰っちゃった(^^
 #まあ、多少褒め殺しの感も無くはないけど(w
どうやらMCを含めて、この1年、多くの舞台を踏んできた積み重ねが心の余裕を生み、発表会という気楽さも手伝って良い演奏に結びついたんだと思います。

過去日記にも書きましたが、押し声を克服して軽やかに艶のある声を出すことが少しは出来るようになってきたのも自信になっています。無理に大声を出さずともホールに声を響かせることができるし、F以上の高音域も恐れなく飛び込んでいける・・という余裕も生まれました。

そんなこんなで、一つの階段を上がることが出来たことを確認できた発表会でした。

さて、次は来春に向けてヴェルディの仕込みです(^^

発表会のお知らせ

2011年08月25日 | 演奏会
浜松声楽研究会の発表会のお知らせです。この日曜日です。

8月28日(日)13:00開演~17:20終演予定
場所:浜松市福祉健康センターホール

何と総勢37名の田代雅子門下生が2曲づつ歌います。師匠主催の演奏会に出演しない生徒さんたちも歌います。僕も一昨年の発表会が声楽デビューでした(^^

僕の出番は25番目ですから4時半頃でしょうか。入場無料ですからお時間のある方は冷やかし大歓迎です。お越しくださるなら少し余裕を見て4時ころにどうぞ!

河口湖音楽祭「佐渡カルミナ」続編

2011年08月24日 | 演奏会
前編をアップしてから随分と経ってしまった。忘れないうちに書いておこう。

いよいよメインの「カルミナ・ブラーナ」
この世俗的カンタータは、いつか歌ってみたい曲の一つなのですが、実は生では一度も聞いたことがありません(汗;
CDではヨッフム盤と小澤征爾盤を持っていますが・・。

さて、そのカルミナがシエナという吹奏楽団でどのように演奏されるのか?晋友会の支援を得た地元の特別合唱団がどの様な合唱を響かせてくれるのか?キュウさんのバリトンソロは?と興味は尽きません。

で・・ピアノ2台とシエナの演奏は・・迫力あり過ぎの感が否めません。ステラシアターの音響や座席位置との関係もあるのでしょうが、合唱がどうしてもオケを超えて客席に響きを届けられない。というよりもオケとのバランスがイマイチに感じられました。まあ、晋友会との共演ではありますが、いくら人数を頼んでもアマの限界なのでしょうか。佐渡さんの位置でどの様に聞こえていたかは分かりませんが、バランスとしてはオケをもう少し控えめにした方が良かったような気がします。が、音楽祭の性質や佐渡さんの性格を考えれば、兎も角大迫力で音楽祭の幕を閉じるという意味で、あれはあれで良かったのかも知れません。

演出も凝っており、
カウンターテナーの弥勒さんが黒いカラスの着ぐるみで登場し、最後は焼かれてローストチキン状態で串に刺されて担がれて退場して笑いを取っていたし、横田栄司さんの朗読付きという、初めてカルミナに触れる人には分かりやすいものでした。

大喝采とアンコールに応えて中高生も演じたアフリカンシンフォニーをシエナが、そして最後はシエナお決まりの「星条旗」。舞台とオケピットに溢れんばかりの観客が流れこみ、盛大に10周年の幕を閉じました。

晋友会の合唱、ソリストの独唱、中高生のフィンランディアとアフリカンシンフォニー、そして大迫力のカルミナ。デザートにはシエナのアフリカンシンフォニーまで用意されて・・もうてんこ盛りの5時間。

美味しい物をたらふくご馳走になった気分で河口湖を後にしました。

PS

後日、最上階で聴いていた合唱仲間から聞いた話ですが、オケと合唱のバランスも良かったそうです。やはり前から6列目ではすり鉢の底、和声は僕らの頭上を飛び越えていたようです。佐渡さんとシエナの名誉のために書き添えておきます。

河口湖音楽祭「佐渡カルミナ」

2011年08月20日 | 演奏会
河口湖音楽祭2011のフィナーレ、佐渡裕&シエナウィンドオーケストラの「カルミナ・ブラーナ」に行ってきました。ホールはステラシアターです。合唱は晋友会+地元有志による合唱団。

このフィナーレは3部構成。1部は晋友会の合唱とソリストによる独唱。まずは晋友会の「さくら(武満徹)」アカペラです。流石にアマNo.1の合唱団、清水敬一さんの流れるような指揮に乗って素敵な和声が。ああ、この指揮で歌ってみたい・・という思いが湧き上がるが、静岡からでは絶対無理。友人のいる松原混声では40歳以下でないと入れないから、ダブルで無理(笑)ソロは、田村麻子さんが「私の名はミミ」カウンターテナーの弥勒さんが「私を泣かせてください」、キュウ・ヲン・ハンさんが韓国民謡の「舟歌」を。田村さんは今まで聞いた中では最も声も良く出ていて素敵でした。キュウさんは相変わらずの声量で魅了。田村さんは少し太り、キュウさんはだいぶ痩せた(爆)

そして第2部は地元山梨県の中学数総額部の選抜楽団を佐渡さんが指揮。曲はシベリウスの「フィンランディア」物凄い迫力。何しろ普通の吹奏楽団の3倍くらいの大世帯です。入学して初めて楽器を持つ子が多いでしょうから、経験は少ない子で半年、多い子でも2年半。それでここまでやる?って感動しました。最も選抜ですから優秀な子が選ばれ、かつ佐渡さんの指導を受けるわけですから。でも、それを差し引いても子供たちの才能に感動しました。

3部はお待ちかねの「カルミナ」合唱は晋友会と地元有志の特別合唱団で・・そう300人くらいですか?シエナはフルメンバー。

あ・・もうこんな時間・・・後は明日(笑)

怒涛の夏休み

2011年08月18日 | もろもろ
夏休みの始まる直前、11日深夜、入院中の義父が急逝しました。

9日深夜に長男夫婦と孫が帰省。翌10日は相良サンビーチの花火大会へ。
海上スターマインと居並ぶ屋台店に孫は大喜び。
そして11日。日中はアパート探し。実は元請けに出向中の息子は、この9月で年季が明け地元に帰ってきます。近々新居を構える予定ですが、それまでの仮住まい探しです。どうやらマイミク「ねこまんま」さんの住んでいた部屋になりそう(笑)そうそう、ねこまんまさんも新居を構えられて転居されたんですよ。

そしてその日の午後は、家の近所の須々木幼稚園に見学。したら・・捕まってしまって延々と説明を受けて入園予約させられたそうです。まあ、一日で住まいと子どもの入園先が決まってしまったので効率的というか・・嫁は結構満足気で良い夏休みになりそうと喜んでいたその夜。孫が入浴中に家内の実家から電話で危篤の一報が。

取るものも取り敢えず病院に急行。痰を詰まらせたらしく一時は心肺停止したものの蘇生術により息を吹き返したが・・・みるみる脈も血圧も呼吸も落ちていく。時間の問題です。駆けつけた家族に見守られながら23時27分、89年の生涯に幕を降ろしました。

15年前に交通事故に遭い頚椎を損傷、九死に一生を得たもののその後は寝たきり。義母の手厚い看護の下で在宅療養をしていましたが、その母が3年前に看病疲れでダウン、そして認知症・・・施設入所。義父は当然施設介護。母は昨年亡くなり、そして後を追うように父も・・・

寝たきりで言葉も話せない父は、見舞っても歯をカタカタ鳴らせて話す父の言葉を理解してやることも出来ず、見舞いに行くにも気が重い毎日でした。見舞う家族も辛いですが、本人はもっと辛かったことでしょう。この先何年か生きても幸せであったかどうか・・・。

そう思うと、そんな寝たきりの状態から解放され、母のもとに旅立つことが出来た父は、やっと幸せになれたのかも知れません。

お盆の最中でもあり、17日にやっと葬儀が終わり、盆明けの今日は目一杯仕事に追われて疲れきっていますが、自分と家内の実家の両親を送るという役目を全て果たして、一仕事終えた後のような安堵感も感じています。

そんなごたごたで、ウチのご先祖さまのお迎えが充分に出来なかったのが少し心に引っかかっています。この場を借りてあの世の御先祖様にお盆の間の顛末を報告してお許しを頂きたいと思います。と、同時に、次の世代への継承が順調に進んでいることも報告しておきましょう。

この週末は河口湖音楽祭の佐渡シエナ「カルミナ・ブラーナ」です。気持ちをリフレッシュして楽しんでこようと思います。

シンフォニエッタ静岡合唱団発進!

2011年08月07日 | 合唱
静岡を拠点に活発に活動する室内オーケストラ「シンフォニエッタ静岡」が専属合唱団を結成した。「本気の合唱団」とか「演奏会前にオーディションを行う場合がある」とか「良い演奏をしたいという強い意志を持つ方」と言う言葉に惹かれてエントリー。そして8月5日(金)に結団式が行われました。

♪マエストロのブログ
http://ameblo.jp/tomoya-nakahara/entry-10976818008.html


事前にお電話でお話しした時もマエストロの中原さんは「質の良い合唱団をじっくり育てたい」と行っておられたので、ゼロから皆さんと合唱団を作りあげるのもイイか!と。練習も隔週とゆったりしているので、ソロ活動との両立も可能だし、なによりソリストを団内から選抜する可能性もあるとのことなので尚更(^^

と言うわけで結団式。何人くらい集まるのかな?どんな顔ぶれかな?どんな練習かな?などと興味津々。各パート25名の100名の募集に対して当日集まったのは20名強。男女比率はまあまあ、年齢層は高め(笑)、初心者が意外に多い。

まずはマエストロから趣旨説明。
http://ameblo.jp/tomoya-nakahara/entry-10978351581.html

マエストロのブログを御覧のように、普通の(何が普通?)合唱団とは少し趣を異にします。まずはアンサンブルのための基礎的な準備に充分時間を掛けてから課題曲の練習に入ります。和声を作るということはどんなことなのか?自作のスコアを元に和声を感じることから入ります。

柔軟体操、発声練習の後、スコアを元に声を出し、ハモリの体感。まだ初回、そして初心者もいることから簡単なものでしたが、ハーモニーを造り自分の声の置所を感じるには良い練習でした。

その後、パート決めもふくめて各自の声を確認するために一人づつアルペジオでチェックして初回は終了。

今後は楽譜の読み方をはじめとして歌うこと以外の歌うために必要な様々なことを勉強もじっくり出来そうです。

マエストロの堅実ではあるが柔らかな考え方に団員がついていけば、そこそこの合唱団になる素地を充分に感じた結団式でした。

上下前後

2011年08月03日 | 声楽
昨夜はレッスン。術後なので自主練は全くなし(汗;

でも、偶然にもひとつの壁を突き抜けました(^^
押し声の克服です!

息は前に、声は後ろに、重心は下に、響きは上に。
この前後上下に引っ張り合う張力を感じながら歌う。
音程を背中に背負って肉体的には意識しない(笑)

するすると声が出てきます。

そう、声は押し出すんじゃなくて引っ張り出す感覚です。

アルファベットの「Y」を想像してみてください。
重心は下に、息は右のツノ、声は左のツノ。
お互いが輪ゴムを引っ張り合う感じで歌うと、不思議に滑らかな響きの声が出ます。

高音に跳躍する場面でも、喉周りはそのまま、この張力を強めて息の流速を上げてやる。そうすると、声は”ぽ~ん”と高い位置に引き上げられます。

声門は肺から押し出される息の正圧で振動するのではなく、通過する息の負圧で振動する。そんな感じです。声を出すんじゃなくて息のせいで声が出る(笑)

実はこの間・・・
フォーレのレクイエムを、テノールの旋律にうっとりしながら聴いていたんです。ああ、テノールだったらなあ・・などと羨ましく思いながらね。 で、ついつい歌ってみる。押し声ではとても届かない。ファルセットなら何とか届く。
何度か歌う内に、ファルセットみたいな感じでアクートが出た(驚!
声門閉鎖はアクート。声は息で押すんじゃなくて息の流速で引っ張り上げる感じ。 届かなかった音域に届いた。これでいいの?って疑問と不安が残った。

で、昨夜のレッスン。術後なので耳もまだ聞こえが悪いし・・と言い訳をしつつこっそり試してみた。

大正解!

先生もびっくり!

そうよ!トスティはそういう声で歌って欲しいのよ!

この歌い方だと、声の始まりと仕舞いが綺麗に出来る。 ブレスさえ上手く出来ればフレーズがレガートに繋がる。

帰り道、伴奏CDに合わせてプロヴァンスを歌ってみた。 嘘のように楽に歌える。

一つの扉を開けました。超うれしい(^^