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吾が黄金のベンガルよ

2020-07-25 18:10:55 | 日記
我が黄金のベンガルよ  ラビンドラナート・タゴール



「きみの呼びかけに」



きみの呼びかけにだれも来ないなら ひとりで行け。

ひとりで行け、ひとりで、ひとりで、ひとりで行け。

きみの呼びかけにだれも来ないなら、ひとりで行け。

だれもが口をつぐんでいる、ああ、きみはついてない、

だれもがみな怖がって顔をそむけている―

そのとき きみは心をひらき

きっぱりと心の言葉をかたれ。

きみの呼びかけにだれも来ないなら、ひとりで行け。

みなが引きかえす、ああ、きみはついてない、

険しい道を行くとき だれもが知らん顔している―

それでもきみは茨の道を

足に血をながしながら ひとり踏みしめて行け。

きみの呼びかけにだれも来ないなら、ひとりで行け。

行く手を照らす灯りはない、ああ、きみはついてない。

嵐が吹きすさぶ暗夜、どの家も門をとざす―

そのとき雷の火で

胸のうちの痛みに火をつけ、ひとりで輝いて行け。

きみの呼びかけにだれも来ないなら、ひとりで行け。

ひとりで、ひとりで、ひとりで行け。





「身内のものたちがきみを」



身内のものたちがきみを見はなしてしまう、

そう思ってくよくよしても何にもならない。

希望の花芽は折れてします、

きっと実はみのらない。

そう思ってくよくよしても何もならない。

道が暗くなってくる、それできみは立ち止まってしまうのか―

きみはなんどもランプに火をつける

だがランプはつかないかもしれない。

そう思ってくよくよしても何にもならない。

きみが語りかける言葉をきいて、森にすむ生き物たちがまわりに集まっても

きみの家では

石のような心がとけることはない。

扉がしまっていたからと、すぐにきみは引きかえすのか―

なんども扉を押してみよ、

だが扉はびくともしないだろう。

そう思ってくよくよしても何もならない。

身内のものたちがきみを見はなしてしまう

そう思ってくよくよしても何もならない。





「昼となく夜となく」



昼となくよるとなく、望みをなくさないで、心よ、望みはきっとかなう。

昼となくよるとなく、望みをなくさないで、心よ、望みはきっとかなう。

岩のように不動でも、いのちがかよえば動きだす、

口をつぐんんでいるひとも きっと声をあげる。

心よ、望みはきっとかなう。

昼となく夜となく、望みをなくさないで、心よ、望みはきっとかなう。

時が来た、ついに時が―じぶんの荷をみずから背負う時がきた―

苦しみを頭上にかかげよ、きっと耐えてゆける。

心よ、望みはきっとかなう。

時の知らせに、きみは知る 誰もが備えて馳せさんじるのを―

旅人たちはみな一つになって、きっと同じ道を歩むだろう。

昼となく夜となく、望みをなくさないで、心よ、望みはきっとかなう。

意をたてたなら、それがきっときみを支えてくれる。

昼となく夜となく、望みをなくさないで、心よ、望みはきっとかなう。





「わたしはこわくない」

わたしはこわくない こわくない。

ほんとうの死をむかえる前に、ご同輩、なんども死にそうにならない。

わたしはこわくない こわくない。

舟をこぎ出せば、たびたび嵐に出会うもの―

それで舟をこぐんおをあきらめて、ただ 嘆いたりしない。

わたしはこわくない、こわくない。

困難をのりこえ、堂々としていよう―

らくな道を行こうとして 足をすくわれ ぬかるみにはまらない。

わたしはこわくない こわくない。

なずべき善をわすれず 真っすぐな道をみきわめて―

危険がやって来ても 逃げない 家の奥にひっこまない。

わたしはこわくない こわくない。

ほんとうの死をむかえる前に、ご同輩、なんども死にそうにならない。





「きみが無力になるとき、その力をだれに」

きみが無力になるとき、その力をだれにわたすことになりますか。

いまこそ立ち上がれ、絶望しないで。

気おくれせずに、こわがらず、きみはじぶんに打ちかつのだ―

きみの呼びかけに、その時みながこたえてくれる。

家の外に出よ、引き返すな、どんなことがあっても、

なんども後ろをふりかえってはならない。

三界にこわいことなどない、こわさはただじぶんの心のなかにある―

勇気の神を信じて、さあ外へ踏み出そう。







「気怖じしないで」

気怖じしないで それは自分自身を蔑むこと

危険をあんじて くじけないで。

気怖じしないで それは自分自身を蔑むこと

危険をあんじて くじけないで。

恐れから自由になり 自分の力を信じて おのれに克てよ

弱きをまもり 邪悪を討てよ

自分を寄る辺なき弱者とみなすことなく。

怖れから自由になり きっぱりと自力の上に立てよ。

気怖じしないで それは自分自身を蔑むこと

危険をあんじて くじけないで。

善が法螺貝のひびきを合図に呼びかけるとき

黙して謙虚に心深く決意せよ。

怖れから自由になり 困難な仕事で自身をためすときが来た。

気怖じしないで それは自分自身を蔑むこと

危険をあんじて くじけないで





「なにもこわくない、かならず勝利はやってくる」

なにもこわくない かならず勝利はやってくる この扉はひらく―

きっと きっと きみを縛るものはつぎつぎに ちぎれてしまう。

なんどもきみは じぶんを見失い 目のさめない暗夜を過ごす―

なにもこわくない かならず勝利はやってくる

なんどでもきみは 世界んおなかで立ち位置をとりもどすのだ。

陸から海から きみをもとめる声がする 人びとの世できみを呼ぶ声がする―

とこしえにきみはうたつ 幸せに 悲しみに 羞じらいに 怖さに

 うたう歌を。

花や木の葉 ながれゆく水音 音に音がかさなり きみの声に調和する―

きみのリズムに合わせて 光も闇もひびきあうだろう。

なにもこわくない かならず勝利はやってくる この扉はひらく―

なにもこわくない





「ベンガルの土よ、ベンガルの水よ、ベンガルの風よ」

ベンガルの土よ、ベンガルの水よ、ベンガルの風よ、ベンガルの実りよ

ゆたかなれ、きよらかなれ、神の祝福にみちて。

ベンガルの土よ、ベンガルの水よ、ベンガルの風よ、ベンガルの実りよ

ゆたかなれ、きよらかなれ、神の祝福にみちて。



ベンガルの家族よ、人の集いよ、ベンガルの森よ、野よ

ゆたかなれ、きよらかなれ、神の祝福にみちて。

ベンガル人のいのちよ、ベンガル人の心よ、すべての息子たち娘たちよ

ひとつなれ、ひとつなれ、神の祝福にみちて。

ベンガルの土よ、ベンガルの水よ、ベンガルの風よ、ベンガルの実りよ

ゆたかなれ、きよらかなれ、神の祝福にみちて。





「このインドにとわにあたえたまえ」

このインドにとわにあたえたまえ、神よ、あなたのきよらかな祝福を―

それは怖れをしらない、あなtなお不屈にして不滅の言葉、

あなたの不動にして不滅の機能。

消えることのない禅の光を あらゆるものの上にかがやかせよ、

危機に 苦しい時に、

森にあなたの道をたどる時に忘れさせたまうな。

このインドにとわにあたえたまえ、神よ、あなたのきよらかな祝福を―

胸に 壊れることのないあなたの鎖かたびらをさずけたまえ、

怖れをしらない有機をふるい立たせたまえ。

邪悪が勝のを見てもなお、信じる心をうしなわず―

あなたの足もとにゆるぎない信頼をおけますように。

このインドにとわにあたえたまえ、神よ、あなたのきよらかな祝福を―

それは怖れをしらない、あなたの不屈にして不滅の言葉、

あなたの不動にして不滅の希望。

このインドにとわにあたえたまえ、神よ、あなたのきよらかな祝福を。





「いったいだれを」

いったいだれを確保したつもりかい、いつきみの支配が実をむすぶというの。

きみの無理強いはつづかない、とどまるものがとどまるだけだよ。

いったいだれを確保したつもりかい、いつきみの支配が実をむすぶというの。

きみの無理強いはつづかない、とどまるものがとどまるだけだよ。

いったいだれを確保したつもりかい。

やりたいようにやり、力ずくでとどめて傷めつける―

身に痛みを受けるその人が絶える、結局もちこたえるのはそのことだ。

きみが持つ巨額の金、あれやこれやの綱や縄、

数えきれない馬や象―此の世はきみのものばかり。

欲しいものはなんでも手に入る、この世をきみが躍らせてると思っているね―

さあ目をあけて気づけよ、不可能にみえる事も可能だってことに。

いったいだれを確保したつもりかい、いつきみの支配が実をむすぶというの。

きみの無理強いはつづかない、どろまるものがとどまるだけだよ。

いったいだれを確保したつもりかい。





「かれらがきつく縛れば縛るほど」

かれらがきつく縛れば縛るほど 縛り口はちぎれてしまう

われらを縛るものはちぎれてしまう。

かれらの目が血走れば血走るほど われらはさらに目をみひらく

しっかり目をみひらく。

かれらがきつく縛れば縛るほど 縛り口はちぎれてしまう

きょう きみの仕事をしてほしい 夢をみる暇はない―

かれらが吠え立てれば吠え立てるほど 眠りは吹きとび

われらの目はいっそう冴えてくる

かれらが力ずくで壊そうとするなら さらに二倍をつくり直すことになる

かれらが怒りにまかせて叩けば叩くほど 波のうねりはさらに高まる。

かたときも希望を捨てないで 主はめざめておられる―

かれらが正義を踏みつぶそうとすればするほど

かれらの旗は土ほこりの上を引きずられるだろう。

かれらがきつく縛れば縛るほど 縛り口はちぎれてしまう

われらを縛るものはちぎれてしまう。

かれらの目が血走れば血走るほど われらはさらに目をみひらく

しっかりと目をみひらく





「神意のさだめを」

神意のさだめを断ち切るほどの力持ち―

きみはそんなに力持ちなのか。

われらを壊すも作も意のままと―

きみらはそれほど思い上がっている。

神意のさだえを断ち切るほど力持ち―

きみはそんなに力持ちなのか。

われらを永久に後ろへ追いやり低くおとしめる―

そんな力はきみにはない、それはつづかない。

支配がどれほど及ぼうとも弱き者にも力がある。

きみがどんなに巨大になろうとも神は見ている。

われらの力を殺せば、きみらもまた力を失う、

きみの荷物が重くなればたちまち舟は沈む。

神意のさだめを断ち切るほどの力持ち―

きみはそんなに力持ちなのか。

われらを壊すも作も意のままと―

きみらはそれほど思い上がっている。

神意のさだめを断ち切るほどの力持ち―

きみはそんなに力持ちなのか。

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