さえら

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紅葉

2010-11-14 21:56:48 | フランス詩 試訳
秋も深まり,都会の樹木も次第に赤褐色に染まってきました。
今日のフランス詩は,ヴェルレーヌ。


Chanson d’Automne       秋の歌

  Paul Verlaine         ポール・ヴェルレーヌ


Les sanglots longs      遠くすすり泣く
Des violons          ヴィオロンのやうに
De l'automne         秋の風が
Blessent mon coeur      僕の心を傷つける
D'une langueur          重く
Monotone.           単調に。

Tout suffocnat        とても息ぐるしく
Et ble^me, quand       青ざめる
Sonne l'heure,        鐘が鳴り響き
Je me souviens         僕は思ひ出す
Des jours anciens       過ぎし日々を
Et je pleure ;        そして僕は涙する。

Et je m'en vais        そして僕は立ち去る
Au vent mauvais        荒れる風に吹かれ
Qui m'emporte         僕は運ばれる
Deca` , dela`,        あちらへ,こちらへ
Pareil a` la          それはまるで
Feuille morte.        枯葉



ヴァイオリンの調べのような秋の風が,心の奥にしまっておいた深い悲しみを再び思い出させ、時を告げる鐘の音が私の心を過去へと導く。あのころは幸せに満ち足りた日々だったが、それは2度と戻らない。その頃を想い涙を流すことしかできない、その悲しさ。今の自分は風に舞う枯葉のようにあてどなく歩く。
この悲しさの最終行,最終の単語はmorte 死。