しんじゃだめ。

ニュースを見ながらの夕食は
子供たちに私の気持ちを伝える、数少ない機会。

四六時中一緒だった小さい頃に比べ、
「一緒に過す」時間は
日にどのくらいなのだろう？と思う。

リビングにいたら、テレビを見るか
ゲームをする以外は、ほとんど
自分の部屋にいることが多い息子。
・・・勉強している、と信じたいけれど
大方寝てるか、モバイルのゲームをしていると予想（笑）。

あらたまって社会問題を語り合う、なんて時間は
そうそうないし
一緒にいる時間を狙って切り出す、のも
ぎこちなくて照れる。
でも、親が何に対してどう思ってるのか、を
子供が知ることは必要だと思う。

親が嫌がることを、子供はしない。
思春期、どんなに反抗していても疎ましく思っても
親が注いだ分だけの愛はちゃんと
子供の心に溜まってて
口には出さないけれど、あるいは態度とは違うけれど
親のことは大事に思ってくれてるはずだから。

だからと言って
「親の気持ち」は、言わなくてもわかるなんて
私は思わない。
相手の気持ちが読めるとしたら、
経験を積んだ大人だからであって
どんなに大人びていても、子供の経験値は
親のそれよりはるかに少なくて
判断材料も乏しい。
子供が「何かを感じる」ことがあったとしても
正しい直感ではないと思うし
対話がなかったら、その勘違いのまま大人になって
「親に愛されなかった」とか
「自分のことはどうでもいい」なんて
誤った解釈のせいで歪んでしまうことがあるかも。

テレビを見ながら、
こんなこと、しちゃダメよって
直接の言葉で言うのは本当に時々なんだけど
「・・・わかってるよ」と鼻で笑われるのは見えてる。
そしてそのたびに、なぜだか安心するの。
この子はわかってるんだな、って。

何気ないつぶやきのように私は伝える。
「バカだねーコイツ」「なんでバレるって思わないんだろ」
「こんなはした金のために、人生棒に振ったね」
とネタのごとくつっこんだり、
時には
「これはいけないと思わない？こうこうなんだからさー」
「最初からこうすればよかったのにね？」と促すと
子供は自ら口を開くし、同じように私に問いかけもする。
言葉のやりとり。対話。
この子、こんな風に考えられる大人になったんだと
私は気付き、信頼する。

彼の考えは、長年こうして親に刷り込まれてきた？からか
ちゃんと「人の道」を行ってると感じるし
それは単に「優しい」「思いやりがある」
「いい人」なだけじゃなく
時には「自業自得」とバッサリ切ったり
「人は人」とクールだったり、個人の性格も表れていて
私にとっては「頼もしい」「しっかりした」人にも思える。

いじめ・体罰・スマホ関連・・・親が知りにくいことも
ニュースがきっかけで話が及び、
子供自身の学校の様子を伺い知ることが出来る。


私は子供によく言う。
しんじゃだめだよーって。

そんなにつらいなら学校なんて行かなくていいし
転校するテもあるし。
それが大人の問題なら、蒸発したっていい。
解決できるものならいいけれど
こじれて、からまって、どうしようもなくなったら
全部を捨てて、一から始めれば・・・。

それが出来る、ことを知ってほしいと。



でもね、「何かのせい」にしちゃダメなんだよ。
自分以外のものは、自由にはならないの。
これが正しい、と思っても
相手の物差しは違うんだからね。

世の中は全然公平なんかじゃなくて
不合理なことばかりで
でも、ルールに従って世の中が動いてるんだから
「その中で出来る」最善策を見つけて行くしかない。
もしくは、ルールを変えることが出来るくらい
エライ人になって世の中に尽くせばいい。

困ったことがあったら、相談してほしい。
母さんがぶっ飛ばしてやるから！
あなたが悪いことをしていなければ
いつだってあなたの味方だよ。

でも、わかるでしょ、母の性格。
どんなことをすれば怒られるのか、
どういう場合はどっちの味方なのか。




一度に、は言えないけれど
ニュースをきっかけに、小出しに伝える。

しんじゃだめ。
というより、しなないで。
あなたを愛してる。

・・・こういうコトは、日本人的に、言えないけどさ。



子供を強く育てましょう。
それは、親の役目。
責任重大だけど、

「愛情があれば大丈夫！」
（・・・これはまったく根拠のない、夫の名言。
私はこの言葉を支えに子育てをしてきたのです）


親自身も、何かのせい・誰かのせいにせず

自分が変われば周りが変わる。
他人と過去は変えられないけど
自分と未来は変えられるんだから。