いつぞやブログに書いたことのある・・・
ウイーンに留学中のお嬢さんとそのカレシくんが帰国していて
カレシくんがレッスンの伴奏をしてくれた。
彼はコンサートでチェロを弾くけれど
指揮者もやっていて、ピアノも上手い。
(前回のコンサートでは「カレシくんのオペラ講座第二回」てことで
椿姫のあらすじやら音楽の解説をしながら、
ピアノをバンバン弾いていた)
弦楽器の「音が苦手」な私が、この人の演奏を聴いた時
初めて「チェロってすてき♪」と思った。
以来、「音楽の神様が微笑んでる」と思えてならない彼の
すっかりファンになってしまったので・・・・
この前、教会で先輩たちが次々彼の伴奏で歌ったときも
私の下手な歌は絶対に聴かれたくなくて
急いで帰ってきたくらいだったのに・・・・ああ。
もう、仕方がない。歌うしかないよね。
てことで、完全に練習不足のろくに音も取れてない状態で
恥をさらすことになってしまった。
とはいえ、本当に楽しげに「僕が弾きましょう」とばかり
ピアノの前に座ってくれるカレシくんは
こんなオバサンたち相手に、とても親切で丁寧で
・・・今朝、歌仲間のスーザン(笑)から電話があって
「彼の伴奏、オペラ歌ってる~って気になったよねー」って。
そうか、元歌を知ってるスーザンには、
彼のピアノはオケに聞こえたのね。
それだけ「雰囲気のある」ピアノだった。
それから、またもや長電話。
正直、声楽やめようかって思ってるんだよね~と
どちらからともなく口にし始めて
スーザンと話す時、私もついつい本音を言ってしまう。
というのは、彼女があまりに素直に心をさらけ出すから。
もうなかなか上手くならないしさ~
自分の声がキライだし~
他の人、あの実力でよく歌ってるよね、、、、(こら!)とかなんとか。
スーザンは絶対にやめちゃダメでしょっ!とあたしは思う。
あんな素敵な声なのに。
「やめるなら、あたしに才能ちょうだいっ!!」って、言いながら
あたしのこともそう言って誰か、引き止めてくれるくらいの
魅力があったらいいのになあ、と思った。
とにかく、カレシくんたちと同じ場所で
同じ空気を吸ってるだけで
「住んでる世界が違う人」と思ってしまい、
とても緊張する。
そして、あたしなんかが歌っちゃってていいのかなあ?とか
歌って何になるんだろう、とか
考えなくてもいいことが次々と頭に浮かんでしまい、
帰ってきてから、ものすごーーーく悲しくなる。
(それはなんでだろう?)
世界はとにかく広くて、
とんでもない才能に溢れた人たちが
真剣に歌ったり弾いたりしてる、その片隅で
どこまでいけるのか、ただ不真面目にうろうろと
練習もしないでレッスンに行って
下手くそだからと落ち込んで
一方では、多少「習ってる」ってだけで
「習ってない」人たちに誉められて
・・・・そんな自分の日常がこれからも続くことが
許されていいのかしら、なんて思ったりする。
翌日、次男のピアノの発表会。
「信じる」って決めたんだ、と何度も心に言い聞かせるのは
「信じてない」からに他ならない(笑)。
当日の朝になっても、一度も弾かず・・・
午後、声をかけたらようやく重い腰を上げた彼は
今まで「一度も間違えず」弾いたことがない、んだし
「そこ」を目指してはいないのだなあ、とあきらめた。
私がピアノを弾いてた頃は、「一度も間違えない」は大前提で
さらに、どれだけ綺麗な音で素敵に弾くか、を目指してた。
(叶わないことばかりだったけど)
ステージで真っ白になって、とうとう思い出せずに終わる、
なんてことにだけはなってくれるなと、祈った。
(実は、それに近い経験アリの母である)
「ねえ、楽譜、見るの?見ないの?
いい加減どっちかに決めて
見るなら台紙に貼って準備しとかないと」と口を出すと
「見ないから」と、怒るし・・・
(見たほうが上手く弾けてるじゃん~~~)
小一時間かかる会場まで、恒例の「寝る!」が始まり
こいつ、どんなこと考えてるのか?と思った。
まあ・・・・つかえつかえではあるけれど
そして、一箇所、音を忘れて止まったけれど
暗譜で弾き終わる。
・・・心臓が飛び出すかと思った~~~
とても長く長く感じた。
ループしてない???と思ったくらい・・・(笑)
弾き終わって
「やべえ~楽譜持って行けばよかった~」と、笑顔。
だから言ったのに。
「朝、お母さんに言われたとき、
“見るか!(見るもんか)”って思った」と告白した。
(やっぱり意地張ってたのか・・・)
そでに行ってさえ全然緊張しなくて、逆にダメだ~と思った、って。
私の中で次男はずっと
「真面目で繊細で小心者」だったはずなのに
いつの間にかコイツは
「意外に図太くて適当で度胸のある」ヤツに
成長していたんだーーーーと、初めて知った。
私みたいな「ビビリ」にならなくてよかったね、と安堵。
そういえば、サークル時代の夫は
なんの練習も計画もないまま本番のステージにあがって
適当にギター弾いて歌って、
途中でわからなくなって、笑ってごまかす、みたいなことを
何度となくやっていた記憶が甦る。
「あれはないでしょ!」と、言われてたなあ・・・(爆)
きっとあっちに似たのかなあ。
とにかく、私に似てないことだけは確かだ!
今回の経験が、彼に何を残したのか。
来年の発表会とはどう向き合うのか。
できれば、これに懲りてこれからは
地道に練習して、間違えずに弾いて、
会場のお年寄りから誉められる・・・みたいな
かつての栄光を取り戻して欲しいものだけど(?)
来年もまた、まったく練習しないまま本番を迎えて
適当にすませてヘラヘラしてる・・・のかなあ。
どっちにしろ、
もう親の出る幕はないんだって感じた。
彼がどの程度の演奏を目指して取り組むのか、
私の思惑と同じじゃないってこと。
結果が悪くても気にならず、何の反省もしないのか、
少しは上手く弾きたいのか、それさえも
彼自身の気持ちひとつ。
ただ・・・・会場で聞いてる親の身にもなってよ~~~~
そういう意味で、親孝行しなさいっ!と思う私。
次男については、いろいろあるので、
また書きます。
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