先日、義母が泊まりに来ることになっていたので
この本はどうかと思って借りておいた。
案の定、読みながらたまに「・・・ふっ!」と
笑いがこぼれる義母を見てると、私まで可笑しくなった。
義母も来週で満90歳。
戦争を経験した世代として、共通するものがあるのだろう。
おくればせながら、昨日読んだ。
高校生の頃、佐藤愛子のエッセイは好きで読んでいたが
あの頃と同じ、歯に衣を着せぬ物言いが小気味よい。
昔の人、はこうなんだと、
改めて思った。
今の世の中、年寄りの威厳と権限が
すっかりなくなったように感じる。
昨日書いたように、怖かった私の父とて
母親を敬い、大切にしていたことを思い出す。
韓国ドラマでは、家族で一番偉いのは年長者。
家長である息子も頭が上がらない。
・・・私は、そんな世の中が好きだな。
90歳の直木賞作家ともなれば
何を言っても誰も文句は言えない、のがまたいい。
現役の政治家や有名人は、問題発言はご法度で
うっかり何か言おうものなら一斉に非難を浴びる。
(芸能人に関しては、そのくらいいいじゃん、と
思うようなこともたびたびある)
だけど、戦争を生き抜いてきたチャキチャキのご老人が
こうして世の中に物申す、ことに関しては
誰も目くじら立てることなし。
歳を取るとは
「奇跡を起こすチャンスを与えられること」。
朝ドラの名セリフとして記憶に残るこの言葉。
50代の私たちがヘタクソなアカペラをやっていても
なんのニュースにもならないが、
平均年齢90歳のアカペラグループが活動していたら
地方局の情報番組が取材に来るだろうな・・・と
いつも想像してはニヤニヤしている。
あちこち痛いとか、思ったように体が動かないとか
それは当たり前。
ご立派なのはノーミソがしっかりされていること。
私もそうありたいものだ。
お金があって、頭がハッキリしていたら
タクシーを使うなり、人を雇うなり
それなりに好きなことはなんでも出来そう。
・・・うん、見習おう。
昔の人は、偉かった!
今の世の中が嘆かわしく思えてくる。
この本で筆者は、読売新聞の人生相談について
たびたび書かれている。
私もその読者の一人。
質問のアホらしさ、同感できない回答へのじれったさ。
私には回答者は務まらない、と常々思っていたが
愛子さんもそうらしい!
人間は弱くなったんだなあ。そこか、と思う。
読めばスッキリ。
ネットで誹謗中傷するウジウジした輩にも
お得意の大声で渇を入れていただきたい。
人のことはいいから。
自分がちゃんと生きなさい。