「ぼくが子どものころ、ほしかった親になる。」
幡野広志
ある日、FMを聞いていたら
幡野広志さんがゲストだった。
30代にして余命を宣告された写真家が
幼い息子と最愛の妻に宛てたラブレター、が新刊。
話を聞いていたら、彼のことが気になって
著書を図書館で予約した。
その一冊目が、この本。
余命3年を宣告された2017年から5年が過ぎている。
彼が言うように「この時点で」の彼の思いは
日々変化し続け、正解なんてなくて
ただ思ったことを残す、ことを前置きとして書かれていた。
私のブログも同じ。
今の自分がこの瞬間に思っているコトを
誰かが何か言うだろうなんてお構いなしに綴りたい。
それに共感するか、反感を持つか、
読み手の感想は気にしない。
だからどうか、偶然通りかかって読んで下さり
それはないよと思われた方、黙って立ち去ってくださいね。
戯言ですから。
こう言うからには、実は
この本を読んで、心に響いたことも数々あれど
なかなか理解しにくいこともあった。
35歳と言えば、息子世代。
経験してきたことが違うから、
学校に対する考えやお金の価値観など
この年代の人の内面として、想像しながら読んだ。
「優しい人になる」という
いつの時代も万国共通の大いなる目標は
とてもわかりやすいが、奥が深くて
優しさってなんだろう、と思うとき
病気になった幡野さんがこの時に思っていた気持ち、は
健康な人には予想できない「虐待」だったと気づく。
そして
私の周りの優しい人…言い換えると
私にはおせっかいにしか思えない気遣いで接してくれる人たち、
のことを思い出したのだった。
私はある意味クールだと、
気を許した友人らにはそう言ってきた。
思いやりに欠けるかな、と思うこともある。
悩みごとなんて、所詮その人のもの。
たとえば何か大変なことが起きたとしても
もし自分なら、乗り越えるしかないって思うのだ。
だからあなたも乗り越えて、という風にはならないが
相手が望むことなら何でもする。
でも望まれないことはしたくない。
どこか遠くで見守るスタンス。
「そうは言いながら、そんなことないよ。
ちゃんとその人のために動いてあげてる」と言われたら
まあ、よく考えればそうかもしれないと自分を振り返るのだが
やってあげてる、という意識はまるでない。
そもそも自然にできることしかやってない。
・・・ん?ということは、、、
私って優しいのかも(笑)
心が寄り添う、ってなんだろう。
寄り添っても動かないんじゃ、結果は同じかな。
愛する、ってなんだろうね。
愛してるよ、って言わなきゃ伝わらない。
言わなくてもわかるだろう、って思うのは間違いだと
幡野さんは息子に伝えてる。
子育て時代。
手をかけずに目をかける、を信条としてきた。
見守ることって、根気がいる。
心配でたまらないけれど、とりあえず任せてみる。
失敗したって、そこからの気づきが
子どもを成長させてくれる。
その点、夫の親は過保護で過干渉。
いつも目を配り、そつなく言葉をかけてくる。
天気が悪いから早く帰りなさい、
疲れるからゆっくり休みなさい、
あまりスピード出さないように、、、などなど、いちいち。
言われなくてもわかってるし、
たとえ疲れていても
好きなこと・やらなきゃいけないことは
いつやるのかなんて自分が決める。
本当に、余計なお世話。
・・・なんだけど、言わずにいられないのは
きっと口ぐせなんだろう。
元教員の職業病か。
比べると、私の母の子育ては私と似てる。
裏ではとても心配するが、本人にはそれを言わない。
・・・まあ、陰で言ってる、ってのもどうかって話だけど(笑)
次男が、友人の結婚式で連休に帰ってくる。
いったいいつ来ていつ帰るのか。
気になるところだけど、しつこく聞くのも気が進まず
それでもとうとう今週末になったので、LINEで聞いた(笑)
長男夫婦も「シルバーウイークの頃に行きます」と
お盆に来れなくなった時に言っていたが、連絡なし。
来るのか来ないのか?
そのくらい、さらっと聞けばいいじゃんと言われそうだが
遠くに暮らしていた頃、
盆と正月とゴールデンウイークが近づくと
「いつ来られる?」と義母から電話が来るのが
とてつもなく嫌だった。
決まったら連絡しますよ、と心の中で思っていたが
年を取ると気が早くなり、先のことが気になるのだと
今の自分と重ねている。
久しぶりにあれこれ書いた。
朝のひととき、駄文を書くのにこんなに時間を使ってしまい
いったい何になるのだと自分でも思うが
書きたいから、に他ならない。
私が子どもたちに伝えたいこと。
仲良く楽しく暮らしてほしい。
人に素直に、誠実に。
私が親を思う時、
ちょっと「面倒くさ」と思ってしまうのと同じく
彼らにとっての私、もそういう存在なのは致し方なく
振り回される~と思われるのは心苦しいけれど
行きたいから行くねー、と気軽に来てくれたら
この上ない喜び。
そんな親に、私はなりたい。
(笑)