今回の東京アート旅のパート3は、絵画鑑賞と趣を変えて国立科学博物館で開催中の「特別展 ミイラ ~ 「永遠の命」を求めて」を鑑賞してきました。会場は国立博物館の隣にあり、会場内は子供連れや若者など大盛況の混雑です。古代から続くミイラ信仰がこれほどまでに受け入れられているとは驚きです。
内容は、南北アメリカ、古代エジプト、ヨーロッパ、アジア・オセアニアのミイラ43体を紹介、各地のミイラがどのようにして作られ、その地域の風俗文化として形成されていったかをわかりやすく解説しています。
特に今回のミイラで目を惹いたのは世界最古のチンチョーロ文化のミイラから始まるインカ帝国に代表される南米のミイラ。老若男女の大小様々なミイラが最新のCTスキャンにより解析されて展示されています。
他にもミイラの代名詞と言える古代エジプトでの捧げものとなった鳥や猫のミイラやヨーロッパの自然ミイラやアジアでは原住民の装飾ミイラに日本の学者が自らミイラとなった本草学者のミイラに高僧の即身仏などが展示されています。
これらミイラは、地域の信仰的な風習によるところが多いなと感じましたが、対象としての扱いが様々なのも興味深いところです。そして、古代より現在に至るまで生命に対する神秘に起因するところが現代人がミイラに惹かれる点ではないかと思います。