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安野光雅展 稲沢市荻須記念美術館


先日の11月23日と24日の連休を利用して、東海地区の美術展を巡ってきました。

美術展は四ケ所で岐阜県美術館での山本芳翠オディロン・ルドン展名都美術館の平山郁夫展碧南市藤井達吉現代美術館の富岡鉄斎展と今回紹介する稲沢市荻須記念美術館の安野光雅展です。

先ずは三館での美術展を簡単ですが紹介したいと思います。

山本芳翠とオディロン・ルドン展ですが、岐阜県美術館が誇る日本とフランスを代表する近代洋画家の二人を同時に開催する展覧会で、岐阜県美術館の収蔵品に加え国内美術館の名品を網羅したことで注目を浴びました。時の首相、伊藤博文とも親交あった山本芳翠の皇居三の丸尚誠館所蔵の作品など文化庁の全面協力のもと118点の作品が並び、一方のオディロン・ルドン展は油彩画やパステル画、版画など300点の作品が網羅された大規模な展覧会で、双方とも岐阜県美術館所蔵のレベルの高さを再認識できる内容でした。

名都美術館での平山郁夫展は、現代日本画の巨匠の一人、故平山郁夫の没後15年を記念し氏のコレクションとして有名な佐川美術館の協力のもとで展覧されるもので、代表作「仏教伝来」に関連するシルクロードの旅を巡る作品やユネスコ世界遺産関連の作品や延暦寺や法隆寺などを描いた作品など88点が一堂に介する展覧会でした。平山芸術の色彩豊かな日本画の世界が楽しめます。

碧南市藤井達吉現代美術館では、富岡鉄斎展は幕末から明治大正を生き抜いた最後の文人画家として有名な富岡鉄斎の没後100年を記念した展覧会で、儒学・陽明学、国学・神道、仏教等の諸学を広く学び、南宗画、やまと絵等をはじめ多様な流派の絵画も独学した鉄斎の画業に加え、制作に使われた筆や硯、印譜などの資料も網羅されていました。絵に書を加えた画賛作品はユーモラスかつ大胆な表現で今なお人気の一因を感じます。こちらの展覧会は会期を終了しておりますが、他の展覧会は12月8日まで開催中です。

さて、僕がもっとも目を惹いたのが、稲沢市荻須機縁美術館での安野光雅展です。42歳の時に文章のない絵本「ふしぎなえ」を刊行してデビューを果たした遅咲きの絵本作家、安野光雅。数々のベストセラー絵本を生み、小さなノーベル賞とも称される国際アンデルセン賞画家賞など国際的な絵本賞を数多く受賞した氏の代表作の原画が並ぶ絵本で旅するような素敵な展覧会です。

画風の特色である細密で描かれた作品は画面の隅々にアイデアが施されイマジネーション・ワンダーランドの副題そのもので観る人が安野ワールドに没入していきます。シンデレラの古典童話から切り絵による昔話、森と同化する動物たちのかくし絵など観る人に楽しみを演出する作品も魅力的でした。世代を超えて誰もが楽しめる展覧会は12月8日まで開催中ですのでぜひご鑑賞ください。

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