映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回は、久々の純愛映画「サンザシの樹の下で」です。
茶々丸オヤジが印象に残る純愛映画は、「ロミオとジュリエット」と「小さな恋のメロディ」でうが、今回の作品もそのひとつに加わりました。
中国のトップ監督チャン・イーモウが描く今回の作品は、エリート官僚出身の青年と反革命分子として迫害を受けている貧しい家庭の少女との許されない恋物語です。
身分の違いや文化大革命の冬の時代の中で人目を気にしながら、お互いの気遣い愛を深めていく二人。主人公の演ずる二人は、そんなかなわない恋に生きる姿にぴたりと合います。
文化大革命の時代を描いた作品は、統制や迫害の痛烈なシーンが残る作品が多いなか、そんなシーンを一切排除しながら、二人の日常や家族を通して、その厳しい時代をじわりと感じます。
恋愛の中で生まれる、淡い恋心やときめき。そして、未経験から生まれる不信や疑念。そんな誰もが抱く感情が思い起こされます。
映画は、実話に基づいています。そして、二人の出会うサンザシの樹が二人の約束の地となり、そして衝撃的な結末と二人の深い純愛に静かな涙を流すことでしょう。
東洋のロミオとジュリエット「サンザシの樹の下で」は、そんな深い感動を観る人に伝えてくれる名作です。