映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。美術館全面改築工事にまつわる騒動記を描いたドキュメンタリー作品「みんなのアムステルダム国立美術館へ」です。
レンブラントの夜警やフェルメールの作品で有名なアムステルダム国立美術館。200年の歴史を持つ美術館が2004年に初の全面改修が行われ10年の歳月の後に再び開館。
当初は4年間でオープン予定が、自転車大国アムステルダム市民が自転車道を巡って大論争に発展。工事の延期を余儀なくされた顛末に加えて、美術館建設やコレクションの保存、修復、展示やさらに壁の色の選択に至るまでつぶさに描いた美術館が完成するまでの過程を知る上でも、貴重なドキュメンタリー作品になっています。
新旧館長や学芸員の美術品に対する情熱がひしひしと伝わり、また、アジア美術を所蔵する当館のコンセプトは、日本人として誇らしく感じるシーンもあり、アートがいかに市民と密接に関わっているかが、よくわかる内容となっています。
公共の美術館だからこそ、起こりうる問題点を対話による理解で乗り越えていった美術館スタッフに深く敬意を表したいと思えた作品でした。
