一宮市三岸節子記念美術館で開催中のアプリケ作家・宮脇綾子展を鑑賞。
アプリケにつづる愛と題した本展は、古裂やフエルトなどを使った手芸のアップリケを芸術の粋にまでまで高めた、創作アプリケ作家・(故)宮脇綾子氏の全貌展と言うべき展覧会です。1905年生れの氏は、名古屋市工芸高校で教師となる宮崎晴氏と長年の文通を得て結婚。名古屋に嫁ぎ、戦後の40代でアプリケの創作を葉はじめます。
宮脇綾子の作品は、豊田市美術館の常設展示で目にしており、僕のお店で額装を依頼されるお客様の中に古布を使ったアプリケの作品を、よき目にすることもあって、素朴な中に斬新な作風に共感を抱いていました。
糸と布をたくみに組み合わせながら、布地のキャンバスに描かれたアプリケの世界は、時にフォーヴィスムに、時に抽象画にそしてポップアートのように多彩な表現力を持っています。
会場は、年配の女性が多く来場され氏の人気を伺うことができましたが、もっと幅広い年代の方に観てもらいたいなと思います。
不遇な青春時代を過ごし、長い文通の中で夫晴氏との純愛のなかで、アプリケと言う独自の芸術を創造し、後半生で花開いた女性の人生と共に歩んだ芸術世界を体感してみてください。
一宮縁の画家・三岸節子のアトリエは、常設展に続き、併設された蔵の中にアトリエが再現されています。モチーフに使われた愛用品の数々は、価値の高い古美術品などもあり必見です。